2013年4月7日日曜日

“面倒”からの解放と電子マネー



カード型IC乗車券、全国相互利用スタート 10種類8000万枚」というニュース。

「PASMO」(東京メトロや関東私鉄系)や「Suica」(JR東日本)、「TOICA」(JR東海)、「PiTaPa」(関西私鉄系)など計10種類のカード型IC乗車券の相互利用が始まり、どれか1種類持っていれば全国4275駅の自動改札を通過できるとか。

このカード型IC乗車券、周囲に使い方を聞いてみると、
ざっくり、以下の3つに分かれた。

1)運賃はもちろん、駅ビルなどの買い物にもガンガン使ってる
2)移動時は基本、IC乗車券。買い物にはあまり使わない。
3)極力使わない。

1)は、おサイフケータイ使用率が高い印象。電車に乗るときも、エキナカのコンビ二で買い物するときも、駅ビルでの買い物もケータイを取り出し、ピッ。

2)は、会社の定期がSuicaだからという人が多かった。おサイフケータイと併用するとかえって管理が面倒だという。あと、iPhoneだとそもそも、おサイフケータイが使えない。

3)はごく少数派。自転車通勤をしていたり、そもそも普段はあまり電車に乗らない。SuicaやPASMOを持ってはいるけれど、いつも使うわけではないので「あ、忘れた」と切符を買いに走ることも多いそう。

1)~3)いずれの人も【面倒くさい】を理由に挙げていたのが印象的だった。

・切符を買うたびに小銭を探すのも面倒くさいし、かといって、大きな札で支払った結果、小銭じゃらじゃら増えていくのが面倒くさい、

・おサイフケータイに申込み、手続きをするのが面倒くさい。使い分けるのが面倒くさい。

・さほど頻繁に使うわけではないものを始終持ち歩くのが面倒くさい。

などなど。


私自身はおサイフケータイで、モバイルSuicaを使用。運賃はもちろん、最寄りコンビ二でもSuica決済ができることもあって、四六時中Suicaを使ってる。書店でもユニクロでも、ピッピッ。

タクシーに乗ってから、現金を持ってないことに気づき、青ざめたけれど、Suica決済できる車だった(ラッキー!)だとか、財布を忘れてでかけたけれど、Suicaのおかげでなんとか生還なんてことも。

よく「電子マネーだと、使ってる総額が把握しづらいので良くない」と言われるが、大正解! いくら使っているのか、さっぱりわからないまま、残高がするする減っていく。

急いでいるときに限って、残高不足で改札をくぐれないというアクシデントも頻発。「時間的ロスを回避するため」という大義名分のもと、自動チャージにしたおかげで、超便利! でも、ますます不明度アップ。“面倒くさい”の罠が発動する瞬間だ。

目の前にある“面倒くさい”を回避しようと、かえって面倒なことになっているケースは他にもありそう。人間関係なんて、最たるものかもなー。ということは、選択に迷ったときはあえて面倒な方を選んでおけば、結果として面倒なことに巻き込まれずにすむのでは! なんて夢想しつつ、たまってしまったレシートの山を片づけようと思います。ああ、面倒くさい……。

2013年3月29日金曜日

キスと期待

キスまでする男友達「キスフレ」、36%の女性が「いる」と回答」という記事。

だいぶ昔に、“友達以上、恋人未満”なんて言葉が流行ったけど、
今度は“キスフレ”。
「エッチはしないけど、キスまでする相手」だそう。

サーバーエージェントの調査によると、36%の女性が「いる」と回答。
ただし、設問は
「エッチはしないけど、キスまでする相手がいる(いたことがある)?」

「彼氏はいるけど、キスだけする男友達がいる」とか、
「二人きりで会って、キスまではするけど、その先には進まない男友達がいる」

というのと、
「大勢で飲んでたときに、その場にいた男の子とノリでチューしちゃったことがある。
ま、別にそのあとセックスもしてないし、つきあうことにもならなかったけどね (・ω<) 」
だと、だいぶ印象が変わる。

酔っ払っうと手近な相手に抱きつかずにはいられないとか、
相手構わずキスを迫る酒乱系女子もいるしなーと具体的な顔も浮かぶ。
親愛の情としてのチューを日常生活に組み込んでいる子もいる。


さらに、前述の調査ではこんな数字も紹介されている。

・「"キスフレ"のことは好き?」……64%の人がNO
・「"キスフレ"とは真剣な恋愛に発展する?」……75%の人がNO
・「彼氏とキスフレは別物?」……58%の人が別物
「"キスフレ"とのキスは浮気にならない?」……81%の人がNO

ややこしやー。

好きなのか、そうでもないのかは微妙な数字。
「彼氏とキスフレは別物?」も、別物派がやや優勢という程度だ。
でも、「真剣な恋愛には発展しなさそう……」と諦め感はくっきり。
さらに、約8割が“キスフレ”とのキスも「浮気」に認定。
ゆるいのか、固いのか……。

実際のところは、本気の恋とつなぎの恋、彼氏と彼氏のようなもの、
浮気になるやならざるや、このあたりの境界線を探るのは
話のタネとしては最高に面白い。

飲み会の場で若い子を見つけたら、つい「ねえねえ、キスフレが流行ってるって
ホント」と聞いちゃいそう(聞かれた人はゴメン!)

ついでに、「年上の人に“流行りもん”の話を振られると、
期待に応えようと、つい話を盛って伝えてしまうことがある?」
というのも聞いてみようと思います。




2013年3月27日水曜日

推薦入試と学習意欲


東大に推薦入試が導入されるという報道に東大OBがこぞって反発。
物議をかもす中、京大でも同じように推薦入試がはじまるという発表があった。

推薦枠はどちらも、全体で100人程度。

2012年の合格者数が東大で3108人、京大で2932人と考えると、
推薦で入れる人数は全体の約3%。
たいした人数でもないような気もするが、
“筆記試験なし”と考えると、数字の印象も変わる。

推薦入試の歴史をひもとくと、その先駆けとなったのは
慶應義塾大学・湘南藤沢キャンパスで、1990年にスタート。
亜細亜大学が自己PRによる入学選抜を行い、話題になったのもその頃だ。
当時“けん玉チャンピオン”の合格がやたら話題になっていたような
記憶があり、調べてみたら、まさに亜細亜大だった。

その後も広末涼子の早稲田大学合格をはじめ、
さまざまな芸能人やタレント、スポーツ選手が推薦入試で
有名私大に進学。

大学の知名度もあがって喜ばしいとする向きもあるにはあるが、
有名どころになればなるほど、レベル低下を憂うOBの声も増える。

ましてや東大・京大に筆記試験なしで入れるとなれば、
穏やかじゃない気持ちになるのもわからなくもない。

東大では「特定の学問分野に強い関心があり、入学後も積極的に学ぶ
意欲を持っていること」を出願資格として掲げているけれど
推薦入試はそもそも、学力低下の一因になっているという指摘もある。

いずれにしても、しばらくの間、飲みの席でのトピックとしても大いに
盛り上がりそうな話題だ。
賛否とその理由からは、学力や学歴に対する自負が見え隠れする。

「推薦入試なんて、勉強したくないヤツが受けるものですよねー。アハハ」
などと軽口を叩き、
「まあ、うちの娘も推薦入学だけどね」
と上司の地雷を踏むことのないよう、
細心の注意を払いつつ、ハラハラドキドキ楽しみたい。

2013年3月26日火曜日

「せっかくだから」の罠


6億円で購入のおもちゃ、活用できず無償譲渡へ」という記事。


府立大型児童館「ビッグバン」が所有する江戸期から昭和期のおもちゃ約5万6100点
金額にして約6億1800万円相当)を国立民族博物館に無償譲渡するという。
おもちゃの内容は国産のものとしては最も古い万華鏡やブリキの馬車、セルロイドの人形など。
“当時の社会状況がうかがえる素晴らしいコレクション”だという。

しかし、
1)展示が収蔵品の一部にとどまる(府監査委員が「有効な活用がされているとは言い難い」と指摘)
2)保存にも人件費や保全費など年約400万円がかかる
などの理由から無償譲渡に踏み切ったようだ。

不思議なのは、1)も2)も購入の時点である程度予測がつきそうなものだけれど……という点だ。
とくに、2)の人件費と保全費用については、6億円に比べると微々たる金額。
お金をかけたところで、収入に結びつくアテが見つけられず、根を上げたということなのだろうか。

文化的、歴史的に価値があるものを保全するということ自体は、意義も価値もあると思う。
死蔵したり、朽ちさせてしまうことを思えば、
活用してもらえる先が見つかったのも喜ばしいことだろう。

1993年に約6億円を投じてから、わずか20年間で限界を迎えることを
予見できなかったことは、うやむやにしないほうがいいのではないか、とも思う。
何がどうなって6億円のおもちゃ購入に至ったのか、詳しいことはわからなかった。
府立大型児童館「ビッグバン」のサイトを見ると、さまざまな切り口から
おもちゃを紹介するページがあり、活用しようと努力していた様子もうかがえる。

館内には、子どもたちが時代玩具と触れあうことができる実物大ジオラマなど、
おもちゃの歴史をフォーカスしたフロアもあり、歴史あるおもちゃをとりあげたい
意欲は感じられるが、巨大遊具に夢中になる年齢の子どもがそこまで興味を持つとは
思えず、かといって、大人が子どもにまじってわざわざ足を運ぶだろうかという疑問もあった。

“価値あるもの”だからといって、次の価値を生めるかどうかは確約されていない。
活用できなければ、ただの場所とり、負債になってしまうこともある。

「せっかくだから」の誘惑は、心をとろかすほどに甘美だ。

「一生もののコートだから」「次はいつ買えるかわからないから」
などと理由をつけては後先考えずにレジに向い、
結果、物をあふれさせてしまっている日常を思い、
深く深く反省する次第でありました。





2013年3月21日木曜日

裸体とアートと教育と


「ダビデ像論争、世界から大反響…ふんどし協会も」という記事。
島根県奥出雲町の公園に設置されたダビデ像とビーナス像を巡り、思わぬ論争が起きているという。

二体の彫刻は奥出雲町出身の元建築会社社長が“故郷への恩返しのため”と寄贈ししたもの。町は「本物の芸術作品を鑑賞できる。ありがたい」と公園に設置。しかし、町民から「子どもが怖がる」「威圧感がある」などと苦情が寄せられたとか。「(ダビデに)下着をはかせて」という珍意見も飛び出し、大騒ぎに。

ダビデ像もビーナス像も、美術の教科書などでおなじみ。
まったく知らない作品でもないという身近さもあってか、
一流の芸術品を理解できないなんて……!”と、
呆れたり嘆いたりする声も多数。

全裸なのはハレンチだから、パンツなり何なりで覆ってしまおう! というのも、
ずいぶん乱暴な意見ではある。でも、「一流の芸術品だから」で済ませるのも、
それはそれで乱暴な気がするのだけれど、どうだろうか。

調べてみると、ダビデ像が全裸なのには、
相応な理由があるらしいということがわかった。
とりわけ、“割礼”の跡があるかないかは重要な問題らしく、
「聖書にもとづいたものなのではないか」という意見もあれば、
古代ギリシアの美学的理想を模倣したという見解もある。
こうした論議が起こるのも、ダビデ像が股間を丸出しにしているからであって、
布などで覆われていたら、議論のしようもない。

裸つながりでいうと、こんな話もあった。

野外彫刻に多い裸婦像は、かつて「自由」「平和」「青春」など、各時代のイデオロギーの象徴としてしばしば公共の場に置かれたが、近年ではフェミニズムの観点から「なぜ女ばかりが、しかも裸で置かれるのか」との批判を浴びることもある。(Wikipediaより

駅前や公園にさりげなく佇む彼女たちから、
そんなメッセージが発信されていたとは!
さほど気にも留めず、ぼんやり通り過ぎていたことを申し訳ない気持ちになる。

違和感を覚えるものに出会ったとき、感情の赴くままに拒否したり、
無条件に受け入れるのではなく、
“それ”が生じた経緯や環境、どんな意味を秘めているのかに思いをめぐらせてみる。
そうすれば、どんなものでも「教育上ふさわしいもの」になりうるのではないかと思う。








2013年3月13日水曜日

スマートフォンと先入観

子どもにとって、進入学シーズンは格好の“ねだりどき”だ。
「来年から中学生になるんだし」「高校合格もしたことだし……」と、
親の財布もゆるみがちになるというのは、今も昔も変わらないらしい。

中高への新入学を控えた子どもがいる親のうち、
「入学時期」をきっかけに携帯電話・スマートフォンへの購入・買い替えを
検討する人は全体の51.8%を占めたそう。
さらに、スマホを選ぶ理由は、
「子どもがスマートフォンをほしがっているから」(40.9%)がもっとも多く、
「自分と一緒(同系統)の機種だから」(26.8%)、
「今後スマートフォン以外の携帯電話は時代遅れになるから」(23.5%)
と続く。

以前、スマートフォンの取材でお会いした何人かの主婦の方々は
いずれもガラケーユーザーで、「スマートフォンに興味はあるけれど、
通信料がかさむのがちょっと……」と、尻込みしていた。

今回の調査でも、「電話料、通信料などがかかりすぎないか心配」(64.2%)が
心配ごとの筆頭にあげられており、「ゲームなどでの課金があるサービスでの
高額請求」(61.9%)など、料金面での不安が「インターネットやメール、
ゲームアプリに夢中になり、勉強しない」(57.5%)、「有害情報サイトへのアクセス」
(55.5%)を上回った。

経済的な負担もさることながら、スマートフォンがもたらす
生活習慣の変化はあなどれない。

“スマートフォンを持っている高校生は、
スマホで1日に平均3時間近くもインターネットを利用し、
目の疲れや睡眠時間の減少など、体の負担を感じている
高校生もいた、という結果が出た”という。

以前、スクールカウンセラーをやっている知人に
携帯メールの返信に追われ、寝不足になり、
やがて不登校になってしまった子どもたちの話を聞いたことがある。
一刻も早く返信をしないと嫌われてしまうかもしれない。
だから、寝る間も惜しんで返信する。宿題なんてやっている場合ではない。

今なら、LINEの応酬になるのだろうか。
「即レスをしなくても、破たんしない友達関係もある」
「まずは一晩、携帯電話の電源を落としてみよう」と
説得に説得を重ねるところからのスタートなのだ、と知人は言っていた。
“即レス”の呪縛を解くのは、そう簡単にはいかないとも。

親がすべての危険を先回りして取り除くことはできない。
でも、一緒に考えることはできるはずだ。

例えば、“インターネットが使いやすいから”
“スマートフォンを持っていないと話題についていけなくなりそうだから”
“勉強に役立ちそうだから”
“持っている人が多くて安心だから”
といった、漠然としたイメージの真偽を調べてみる。

それは、日常生活の中に潜む“だって欲しいんだもん”を
飼いならすのにも役立ちそうだ。





2013年3月10日日曜日

泣きたい理由と武士の情け



気分が落ち込んだときは、いっそのこと思い切り泣けるだけ泣いたほうが立ち直りも早くなるという話は、以前からちょこちょこ耳にしていた。

週末になると、“泣ける映画”を大量に借りてきて、一人で見るという友人もいたし、泣くとスッキリという感覚は自分自身でも体験している。

でも、どちらかといえば、個人活動の範囲にとどまるものだった。それがメンタルコントロールのひとつとして注目され、“週末号泣”を実践するためのイベントも実施されているという。

心に効く! 働き女子を救う「涙活」って?


見知らぬ同士が集まり、泣ける映画を見たり、感動話を聞いて涙を流すという涙活イベントの体験レポートもあった。


“家で泣いたら家族を不安にしてしまう。泣きたいのに、泣ける場所がどこにもないんです”(40歳・男性)

“女も30代になると、そうそう泣ける場所があるわけじゃないです”(34歳・女性)

男も女もなかなか大変だ。

「年を取ったら、やたら涙腺がゆるむようになっちゃって」なんて話をよく聞く。自分でも実感する。

映画やドラマの感動エピソードはもちろんのこと、しょうもない余興も「長くつきあってくれる友達がいるってことはありがたいことだ」ともらい泣きできるし、「幸せそうで何より」とまた泣ける。

一方、泣けない場面も増えている気がする。仕事とプライベートの境目が年々曖昧になっているせいだろうか。泣いて叫んで、かんしゃく起こして、ぜーんぶ放り出したら、さぞラクになるだろうに……と思うような出来事に出くわしても、まず泣けない。泣いている場合ではなかったりもする。

そんなとき、どうするか。
ぐしゃぐしゃ悩んでいる自分に対して「で、それ食えんの?」と突き放す質問を投げかけることで、冷静になれることがある。

最近読んだ『もう、名刺交換はするな。』(佐藤綾子著・フォレスト出版)には「武士の情けで許す」という案が紹介されていた。

“神様のように「慈愛によって赦すこと」は、平凡な私などにはなかなか難しい。でも、心の中で「いいや! もうここでわり切って許す。武士の情けだ!!」くらいのタンカを切って、あとは忘れてしまうのならば、私にもできそうです”

今度やってみよう。

「号泣してスッキリ」に限らず、ストレスに直面したときの対処法を複数持っておき、気分やシチュエーションに応じて適宜試してみる。それができると、ストレスもだいぶ軽減できそうだ。

2013年3月6日水曜日

恋とシェアハウスと暇つぶし


「シニアにも人気、シェアハウス」という東京新聞の記事。

一つ屋根の下で他人同士が生活を共にする「シェアハウス」。
独り暮らしに不安を抱える高齢者向けの取り組みも広がっているのだとか。

昨年末には、猪瀬直樹都東京都知事が「独居高齢者が増えている都営住宅を、
若者が共同で暮らす「シェアハウス」として提供し、
異世代交流を促す構想を明らかにした」というニュースが話題になった。

他人と住居をシェアするという文化を初めて目にしたのは、たぶん大学生のとき。
大学の周辺には、一軒家に何人かで住むような昔ながらの下宿がたくさんあった。
大家さんが一緒に住んでいて、食事を出してくれるところもあれば、
家だけポンと借りて、自分たちで掃除や洗濯、炊事のルールを作って
やっているようなところもあって、後者はまさに、今で言う“シェアハウス”みたいな場所だった。

当時はまだ実家暮らしだった私にとって、一人暮らしは憧れではあったけれど、
その“シェアハウス”での共同生活は楽しそうでもあり、億劫そうでもあった。
経験者に聞くと、最初にきちんとルールを定めておけば、
トラブルも回避できるし、ストレスがまったくないかといえば、
そうではないけれど、“お互いさま”と思えば、気にもならないという。
同居人がいるという安心感もあるし、寂しくなくてよいとも言っていた。

20代の頃は、この「寂しくない」が大問題だなと思い、避けて通ってきた。
一人でごはんを食べるのがつまんないだとか、
体調を崩したときに心細いだとか、案外こうした細かいことの積み重ねが
恋愛に向かうエネルギーになると信じて疑っていなかったのだ。
手近な相手で寂しさを埋めようした結果、ろくでもない相手にひっかかるという
リスクも高まるので寂しけりゃいいというものでもないけれど。

「恋愛したいけど、その気になれない」という人には、寂しさの増強をオススメするし、
逆に「気持ちは冷めているけれど、寂しくて離れがたい」という人には
シェアハウスに限らず、習い事でも運動でも他人と共有する時間が長い何かを
始めてみることをおすすめしたい。
「こんなにつらいのに離れられないのは、それだけ好きってことなのかしら!」
と思っていたけれど、他に暇をつぶせる相手や用事が見つかると途端に色あせる。
そう気づいてしまったときの爽快感はすさまじい。

今回の記事のように、年をとってからの他人との同居生活はどうなのだろうか。

祖母は、祖父を看取った後、70代半ばまで一人で暮らし、
その後、介護付きグループホームに入居した。
「ここに来てから『ガスの火をつけっぱなしにしたらどうしよう』と
心配しなくていいの。気が楽でいいわ」と笑っていた。

あっけらかんと目の前にある状況を受け入れる。
それが楽しい暮らしを手に入れるいちばんの秘訣なのかもしれない。





2013年2月27日水曜日

男女の違いと諜報活動

アサツーディ・ケイが実施した「消費者にとっての新聞・新聞広告の価値についての調査」によると
新聞広告は実は「男性」より「女性」に効果的」ということがわかったそう。


女性が「新聞広告を楽しみにし、活用もしている」のに対して、
男性は「興味がある広告を選んで見る傾向がある」という。

そういえば、実家では朝食のときにコーヒー片手に
先に新聞に目を通すのは母のほうで、
父はお弁当を作り終えた後でバトンタッチ。
トイレに新聞を持ち込み、ささっと拾い読みしていたような記憶がある。

ただ単に、トイレに持ち込まれた新聞を食事をしながら読むのは抵抗がある。
だから、母のほうが先に読み、その後、父に……という、
暗黙の了解があったのかもしれない。

でも、当時見たテレビドラマでは
「新聞を読みながら食事をするなんて!」と叱られるのは、
もっぱら“お父さん”だったこともあって、うちは男女逆転しているなと
思っていた記憶がある。

もちろん、個人差もあるし、育ってきた環境や習慣に左右される部分も大きい。
でも、男女の違いとして、考えかたや行動のパターンを大づかみしておくと、
不要な人間関係のトラブルを回避したり、円滑な人間関係を構築するのに
大いに役に立つ。

フットサルをやっていたときのこと。
男女が半々ぐらいのチームもたくさんあり、
何度か声をかけてもらい、他のチームの練習に参加したこともある。
女性の比率が多いチームほど「ゴール前では一度は女性にパスを回す」ような
“優しさ”を見かけた。

私が所属していたチームはほとんどが男性。
中心メンバーがバンドサークルつながりだったこともあって、
サッカー経験者どころか、運動部出身者もほとんどいない。
せいぜい、中学のときに卓球やっていましたとか、
少林寺拳法やってましたとか、その程度。

3分走れば、息も絶え絶えになるし、
「スーパービギナーズ(初心者の中でも、さらに初心者チームのための大会)
に出場しても、こてんぱんにやられちゃうようなレベル。
「女子だから」という理由で特別扱いされることはあまりなく、
(そんなことをするほど、体力に余裕がない)
それがかえって居心地良くもあった。

練習後はたいてい近所の店に飲みに行き、
そこでは「男子の本音」がバンバン飛び出すのが面白かった。

例えば、「いっしょうけんめい」の基準。
運動が苦手なのはいい。シュートが決まらないのもOK。
足が遅くてもいい。でも、「全力で走ってない」に対する見方は総じて厳しかった。
適当に体力を温存し、交代することなく試合に出続けるよりも、
全力疾走して2分でギブアップしたほうが、
チームにもメンバーにとってもありがたいという。

「女の子って、体力温存しちゃう子多いじゃん」みたいな話になると、
つい自分が否定されたような気持ちになって、異を唱えたくなるけれど、
反論しないほうが面白いことも、そのとき学んだ。

男性もある程度の年齢になると、女性に対してちょっと批判的なことを
言ったばかりに、「そんなこと言うなんてひどい!!」と噛みつかれた経験が
あり、噛みつかれ「一般論だったのに……」と辟易した経験が一度や二度はある。

それだけに男女の対立構造には敏感。
ちょっとでも女性が不機嫌そうになると、すっと話をはぐらかす。
逆に、多少のことでは怒られなさそうとなると、ベラベラ本音を喋ってくれる。
そのなかに、けっこう重要な情報がある。

時には「どうして自腹を切って、どうでもいい持論を延々聞かされるのか……」と
いう気持ちになるかもしれないけれど、そんなときは単なる飲み会なのではなく、
男女の機微に関する諜報活動であると思えば、気もラクだ。












2013年2月25日月曜日

涙の理由と愛されOL

面白ければ結果はどうなったっていい? AKB握手会の罰ゲームに賛否」という記事。

AKB48の全国握手会でメンバーによるチーム対抗ゲーム“A-1グランプリ”。
粉まみれになったり、鉄棒にぶら下がって落ちたら体重が明かされるといった
罰ゲームの内容がGoogle+にアップされたところ、賛否コメントが殺到したそう。

記事によると、こんなことが起きていたらしい。

同イベントでは体調を崩して途中退場したメンバーや、泣き出したメンバーもいたようだ。
大事には至らずとも負傷したようだ。
体重が明らかとなったことが分かる。


いずれも、AKB48グループ総支配人やメンバーのGoogle+への投稿から
わかったこととして記事内に登場し、
最後は
「メンバーの本音やファンの声にはしっかり耳を傾けて今後のイベントの参考とする必要がありそうだ」という一文で締めくくられている。

「ケガをさせるのはやりすぎ」という批判が出てくるのは、なんとなく想像がつく。
でも、体調不良とイベントの因果関係はわからずじまい。さらに
「泣くこと」と体重バレが並列で語られることに驚いた。

よくよく読むとさほど大変そうでもないことも、
大変そうなことと一緒に書かれていると、大変そうに見えてくる。
よくよく確認せず、けしからーん! と突っ走ってしまうと、思わぬ失笑を
かいかねない。

安易に同情したり、けなげだと持ち上げてしまうのも微妙だ。
うっかり「最近はアイドル稼業も大変だなー」と思ってしまったけれど、
アイドルがラクな商売だったことなんてあるんだろうか、と思い直した。


「アイドル水泳大会」で検索すると、そうそうたる当時のアイドル陣がずらりと出てくるし、
ビートたけしが総合司会を務めていた「スーパーJOCKEY (SUPER JOCKEY) 」
の名物コーナー<熱湯コマーシャル>もしかり。

記憶のなかの彼女たちはキャーキャー嬌声をあげ、楽しそうにしていた。
おかげで気まずい気もちになることもなく、ただただ、
ゲラゲラ笑って、見ることができた。

一方で「面白ければいいのか!」と感情を揺さぶれるAKBも凄いなーと思う。
「泣きだす」という行為は、けっこうな確率で相手をしらけさせるし、
それによって、下げなくてもいい評価を下げている人は少なくない。

中間管理職向けのマネジメントセミナーのようなところに行くと、
「注意した部下が泣き出した。さて、どうする?」
みたいな話題はちょくちょく登場する。

「部下(とくに女性)に泣かれてマジつらかった」という話は
上司あるある話で盛り上がるネタベスト3に入る(わたし調べ)

どうせ泣くなら、エンターテインメントに昇華する。
そのコツをつかんだとき、愛されOL2013の座に輝ける……のかも。





2013年2月21日木曜日

マザコン男と孝行息子を見分ける3つの方法


鳩山由紀夫元首相の母、安子さんが2月11日、都内の病院で亡くなった。90歳だった。生前に長男の由紀夫、次男の邦夫兄弟に42億円ずつ財産を贈与したという一部報道もあり、最後まで話題をさらった。

ブリジストン創業者の故石橋正二郎氏の長女で、初代自民党総裁の鳩山一郎元首相の長男、威一郎元外相の妻。資産家としても知られ、1996年、民主党の前身となる旧民主党の結成資金の半分以上を出しているという。鳩山家の"ゴッドマザー"は、民主党の母でもあったらしい。

鳩山由紀夫元首相夫人、幸さんはインタビューのなかで安子さんについて、こう語っていた。
「嫁と姑の確執、遠慮などというものは全くありません。母は一切私たちの生活の中に入ってきません。『ああしろ』『こうしろ』ということはまったくありません。何をやっても『母に勝るものはない『とわかっていますので、何を言われても『そうですね』『もっともです』という感じで、素直に従えます
(月刊「財界さっぽろ」2010年1月号より)

なかなかここまで言えないし、言わせられない。
実際のところ、母親と息子の関係は、ちょくちょく恋愛のブレーキとして浮上する。

「彼氏がマザコンかもしれない……」と深刻な感じで相談されたけれど、
よくよく話を聞いてみると、「ただの親孝行な人なのでは……」
ということが、しばしばある。

マザコン疑惑の相談を受けるたびに思い出すのが、
お見合いで結婚したエリート男性がじつは極度なマザコンだったというドラマ
『ずっとあなたが好きだった』(TBS)だ。
夫"冬彦さん"を演じた佐野史郎の怪演ぶりはすさまじく、

「味噌汁はひどかったね。味噌を変えて。母に聞くといい」
「僕の言うとおりの妻になっていない」など、数々の名ゼリフに震撼させられた。

このドラマの影響もあるのかないのか、マザコン男をひきあてると
大変なことになるという話は脈々と女子の間に語り継がれている。
厄介なのは同時に「男は大なり小なりマザコンである」説も
まことしやかに語られていることだ。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ということわざではないけれど、
こわいこわいと思っているから、マザコンに見えちゃうなんてこともありそう。

"孝行息子"は母親だけではなく、友達にも恋人にも優しい。
マザコンに過敏になりすぎると、せっかくの逸材を好きこのんで
切り捨てることになりかねない。そんなガッカリなうっかりに回避つつ、
マザコン男を見極める3つのチェックポイントを紹介しよう。

その1 母親に決定権をゆだねたがる

何かにつけて母親に相談する姿は、女性にモヤモヤした感情を引き起こさせる
光景のひとつですが、相談しているだけでマザコンと決めつけるのは早計。
専門知識や生活の知恵をもとに的確なアドバイスをくれるという信頼感の現れなのかも。
ただし、「かあさんの言う通りにしておけば間違いないんだよ!」といった類いの
思考停止発言が出てきたら逃げ出す準備をしたほうがよさそう。

その2 母親とよく一緒にでかけたり、プレゼントをあげたりする

「いい年をして、母親と仲が良すぎる気がする」というのも、よく聞く恋愛相談のひとつ。
でも、母の日や誕生日など、記念日系なら単なる親孝行の可能性大。
"いい年齢"だからこそ、親に優しくなるという見方もできる。
休みの日ぐらい運転手や荷物持ちをするよという親切心なのか、
それとも、何か買ってもらおうという依存心の現れなのかは冷静に観察を。

その3 母親に対してつっけんどんな態度をとる

一見、親離れしているようで、じつは自立できていないパターン。
不機嫌な態度をとれば、親が先回りして面倒をみてくれるという
経験によるものかもしれないし、母親なら許してくれるだろうという、
ある種の甘えが見え隠れする。関係が深まると、今度は
自分も"つっけんどん"の対象にされるというリスクもはらんでいる。






2013年2月15日金曜日

支援される人・されない人はどう違う?



1月29日、ジンバブエのテンダイ・ビティ財務相が「先週、公務員の給与を支払った時点で、 国庫金の残高は217ドルになった。政府の財政は現在、麻痺状態にある」と発表。すわ、ジンバブエ政府が破綻かと世界中で報じられ、大騒動になった。

しかし、その後のインタビューでビティは財政破綻を否定。翌日には3000万ドルの歳入があったと説明。伝えたかったのは「選挙と国民投票を実施する財源がないという点」であり、「例え話として、公務員への支払いを済ませたら217ドルしか残らなかったと語っただけ」だという。

独裁政権下で2億%以上のハイパーインフレ。さぞかし大変なんだろうと思う。でも、ここまで大変になってしまうと、かえって心配されなくなるのではないか。国庫残高217ドル発言のおかげで、かえって深刻さが伝わりづらくなったのではないかと、心配になる。

ライターになりたてだった90年代の終わり頃、
週刊SPA!ではよく、給料特集をやっていて、
ボーナスの時期になると、どこの企業が
去年より上がっただの下がっただのと、盛り上がっていた。
「30歳で1000万円もらえる業種・企業はどこだ?」
なんて特集もあった。
「一部上場なのに、30歳で1000万円超えないなんてショックー」
とかなんとか、そんなコメントがとれた時代だった。

その後、「年収500万円の平均ライフ」を経て、
年収300万円生活、年収200万円、年収100万円……と、
平均像の設定年収がガンガン下がっていくのを目の当たりにした。

いちばん切なかったのは年収200万円特集だった。
年収300万円ぐらいある人たちはなんだかんだいって
みんな楽しそうに暮らしていた。
これが年収200万円になると、さすがに厳しくなってくる。
取材中に「これからどうすればいいですかね」と逆に質問されて、
「うーん……」と一緒に考えこんでしまったこともあった。
ところが、年収100万円生活になると、再びパカーンと明るくなる。
生活ぶりはシャレにならないぐらい大変なケースが多かったし、
状況としてはかなり深刻なんだけれど、本人たちのノリは
どこまでも明るく、突き抜けている。

そういう人じゃなければ、取材なんて受けてくれないと
いうのもあったんだろうけど、それにしてもあっけらかんとしていた。
風俗嬢にいれあげて、一文無しになっちゃいましたエヘヘ、みたいな人とか、年収100万円しかないのにラッセンの絵を買っちゃうとか、
いろいろぶっ飛んでた。
ここまでくると、笑えてくる。ぜんぜん笑い事じゃないんだけど。

国庫残高217ドル発言は、危機を訴えるための例え話だったのかもしれない。でも、そのおかげで、「大変だよね……」と深刻になるラインを飛び越え、この笑っちゃう領域に入ってしまったような気がするのだ。
2億%以上のハイパーインフレの時点ですでに……だったのかもしれないけれど。

名門マジックと酒肴トーク

名門麻布中学の入試にドラえもんが出題されたのはなぜ?」という記事。


麻布中学の入試の理科の問題で下記のような問題が出されたそうだ。

「(略)『ドラえもん』がすぐれた技術で作られていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか。理由を答えなさい。」

で、麻布中学校 2013年入試問題 解答速報によると、模範解答はこうだ。

「ドラエもん自身が成長したり、子孫を残すことができないから」

うわー、えぐい回答だなーというのが第一印象。

なんせ、私は現時点で子どもを産んでないし、
今後、子どもを産むかどうかわからないし、わからないとか言ってる間に、
産めない年齢になる可能性もある。ということはいずれ「子孫を残すことができない」に
該当して、非・生物認定っすか……。がーん。

だいたい、成長してるのかどうかも怪しい。自分では成長したなーと思うことはあるけれど、
それは単なる自己満足に過ぎないんじゃないのか。ホントに成長してるのか、
何をもって成長とするのか。少なくとも、身長は増えていない(体重は増えたり減ったり
している。これ以上増えてもらうのは大変に困るので、むしろ成長してほしくない)。

設問自体は面白い。でも、模範回答は正直言って微妙だ。
なんだろうなー、「思考力がある」というより、
デリカシーのない答えに思えてしまったのだ。

なんとなく釈然としないまま、そもそもの設問を見てみると、さらに拍子抜けする。
問題文の中に、“生物の特徴”が明言されていた。

(略)さまざまな生物を観察し、生物でないものと比べてみたところ、すべての生物に
共通する特徴がいくつか見つかりました。その特徴のなかでも、とくに重要なものが
下の特徴A~Cです。

特徴A:自分と外界とを区別する境目をもつ。
特徴B:自身が成長したり、子をつくったりする。
特徴C:エネルギーをたくわえたり、使ったりするしくみをもっている。

なんだー、答え書いてあるんじゃん。
デリカシーがないどころか、むしろ素直! 

ユニークとされる教育方針の学校である時期を過ごしたことがある人は、
それに対する愛着が強い傾向がある。
私が通っていた高校も、いちおう県内有数の進学校なのに、
受験対策にちっとも興味のない先生ばかりがいて、
夏休みや冬休みの宿題も「百人一首をぜんぶ覚えること」や
「オーヘンリーの短編集を英語で通読する」だったりした。
入学したての新入生ならいざ知らず、高校3年生の夏休みの宿題が、
「徒然草を読むこと」とかウケる! と思っていたし、同級生と会えば、
未だにその話で盛り上がったりもする。
ただ、記憶は美化されるし、何かしらのバイアスもかかる。

ドラえもんが入試問題に出てくるというと、それだけでキャッチーだし、
最初に引用されていた問題だけ見ると、ちょっと考えさせられる設問にも見える。
しかも、それを出題したのはユニークな教育方針で知られる、名門麻布中学で……といった
複数のイメージが重なった結果、実態からズレたところで好感を抱いたり、
ガッカリしたりする。

こうしたことは日常生活のなかでも、ちょいちょい起こる。
感情的に切り捨てるのは簡単だけれど、その感情をひょいとわきによけておいて、
さかのぼって調べてみると、想像と違う“正体”にあえるかもしれない。
なんて思えるのは「成長する」のカテゴリーに入れていいのか。

前提となる“定義”はさておき、ドラえもん問題は恰好の酒の肴になりそうだ。
模範解答からかけ離れた回答、例えば、
「いや、やっぱり国民的キャラクターであるわけだし、この際、
ドラえもんを生物として認めてみよう」とかなんとか言われたら、
おお、と思ってしまいそうだ。

自分ならどんな答えを出すのか、もさることながら、
どんな答えを出す人と仲良くなりたいか考えてみるのも楽しい。








2013年2月11日月曜日

「オタク」をめぐるモテフラグ


20~40代男性の過半数、「自分はオタクだと思う」 という記事。

過半数もオタクを自認してるのかーと思ったけど、よく見ると「完全にオタクだと思う」は8.1%と、1割にも満たない。「ややオタクだと思う」(24.1%)、「どちらかといえばオタクだと思う」(22.1%)という、消極的オタク自認派も含めての“過半数”だった。

よくあるアンケートマジック。100人中33人が「バレンタインデーに本命チョコレートをもらった」と言われても、そんなもんかーと思うけれど、「3人に1人が……」と聞かされると、ちょっとドキっとするようなものだ。

ただ、「ややオタク」「どちらかといえばオタク」を自認しそうな、ふんわりした“準オタク”層はたしかに増えている印象がある。彼らは中途半端な長髪にチェックのネルシャツ、ケミカルウォッシュのジーパンみたいな“いかにも”な恰好はしていない。ジャージを着ていても、それは中学校のジャージではなく、おしゃれジャージ。黒縁・びん底メガネではなく、こじゃれたメガネをかけてたりする。

「自分がオタクであることを周囲に言っていますか?」の結果を見ると、「聞かれたら言う」(51.8%)が半数を超えていた。“聞かれたら言う”ってどんなシチュエーションなんだろうなー。「アニメ好きなの?」と聞かれたら、正直に「好きです」と答える程度も含まれていそう。この数字の信憑性はともかく、以前に比べると、“オタク”を公言する人に会う機会も増えている。

「僕ごときがオタクなんておこがましい」という謙遜派もいれば、「オタクですみません……」と予防線を張るタイプ、ことさらに「俺ってオタクだからさー」と言い募る人まで百花繚乱。でも、いずれにしても、オタクのイメージはネガティブ一辺倒ではない。むしろ、人間関係にプラスに働くんじゃないか。

大好きなジャンルの話す姿を見るのは、それだけでけっこう楽しいものだ。話している内容も固有名詞もちんぷんかんぷんだったとしても、いい大人が夢中になって話している姿は可愛らしい。オタクだと自称しつつ、そのジャンルについて語るべき言葉を持っていない人に出くわすとガッカリするけれど、その人が「○○オタク」を標榜することで、どのような自分ブランディング(笑)を仕掛けようとしていたのか、想像を巡らすのはおもしろい。それこそ、本当に何かしらのオタクである人と一緒に分析・検討すると、これまで気づかずにいた鋭い視点からの指摘を聞けるという楽しみもある。

かつて、「結婚するならオタク男子が狙い目」という話が盛り上がったことがあった。「浮気しなさそう」「好きなことに理解さえ示しておけば、うるさいこと言わなさそう」など、ピュアさ&扱いやすさがメリットとして掲げられていたような記憶がある。

ピュアな分、女の邪念には敏感な人も多いし、どこまで扱いやすいかはともかく、「趣味に理解を示す」だけで喜んでもらえるという側面はある。未だに「アニメ好き」「マンガ好き」「鉄道好き」というだけで、「やだオタク、キモーい」と見切りをつける女性のみなさんが後を絶たないおかげで、思いもよらない好物件が残っているとかいないとか。

というわけで、初心者でもとっつきやすいオタク男子ベスト3をご紹介します。

1)マンガオタク 
「おすすめのマンガは?」と教えを請うだけで、話題が盛り上がる。いきなり何十冊にも渡る長編を勧める人はそうそういないけど、もし、心配なら「おすすめの短編マンガは?」と聞けばOK。

2)生活家電オタク
パソコンからオーディオ、各種家電の買い換えから配線、活用法まで相談に乗ってくれる。実用性が高く、相談して仲良くなるためのネタにも事欠かない

3)アウトドアオタク
気は優しくて力持ちタイプが多く、非常時にも頼りになる。制約のなかで何とかすることに慣れているため、発想が柔軟。早起きが苦にならない人向け。








2013年2月7日木曜日

桃太郎と温泉と伊勢うどん



岡山市が「桃太郎市」に? 香川県の観光PRに倣うという記事


1月29日、岡山市の高谷茂男市長が市の特設サイトに掲載された動画で、岡山市を「桃太郎市」に改名し、キャッチフレーズを「おしい!桃太郎市」にすると発表。前者は香川県の「うどん県」、後者は広島県の「おしい!広島県」をもじったものだったことから、批判や困惑を表明する声が相次ぎますが、じつはこれらは壮大な前フリ。


桃太郎市、実は「伝説の岡山市」 市長が改名宣言種明かし

市長は鬼に取りつかれていたが、市内の保育園で行われた豆まきに参加したおかげで、鬼が退散したという設定で、「伝説の岡山市」のキャッチフレーズで市の魅力をPRするキャンペーンを始めた。


桃太郎市騒動が起こる少し前、大分県が県内のキャッチフレーズを「おんせん県」を定め、商標登録。他県から反発を受けているというニュースが報じられた。

「おんせん県」にライバル温泉地“湯気”立てた

全国から批判が相次ぎ、県の公式サイトに釈明文を載せるなど、対応に追われた大分県。


<営利目的の第三者(他の都道府県は想定していません)が登録した場合などに、「おんせん県」の使用ができなくなったり、使用料が発生したりすることも考えられることから、大分県として保護的な意味合いで商標登録をしておいた方がよいとのアドバイスをいただきました>と説明し、
<各県の使用を妨げるという意図は一切ありません>というスタンスを表明。
なんとも言えない残念な感じが漂う。

「何かあったときのために、一応商標とっておきましょうかね」
「とりあえず、申請をするだけしておいて損はないでしょうな。ガハハハ」
みたいなやりとりが容易に想像できてしまうのだ。

一方、岡山市のPR戦略はまったく逆。もろ手を挙げて賛成されたとは、とても思えない。
もし、ぜんぜん反対の声がなかったとしたら、それはそれでびっくり。今回のPR戦略が
瞬間的な知名度アップにとどまるのか、それとも継続的な何かにつながるのかは
わからないけれど、“ダダすべり上等”で挑んだ姿勢は好感がもてる。

PR動画はかっこいいけど、内容はまあ、普通。でも、そう思ってしまうのは
それだけ前フリとしての一連の騒動がインパクトがあったからなのかも。
どうでもいいなあと思いながら、更新されるたびにのぞいてしまったり、
「またやってるよ……」と苦笑いしつつも、興味を抱いてしまう可能性は大いにある。

コラムニストの石原壮一郎さんが代表を務める「伊勢うどん友の会」もそうだった。
どんな話題にもゆるゆるふわふわ伊勢うどんをからめ続けて約半年。

失笑気味に「ホントに話題なんですか」と言われていた伊勢うどんが
Hanako1月24日号に載り、婦人公論でも話題になり、
東京新聞でも取り上げられていた。すごいな、伊勢うどん。
炎上マーケティングならぬ、失笑マーケティングとでも呼びたい活躍ぶり。

2月20日には都内某所で「伊勢うどんナイト」も開催されるらしい。

伝説の岡山市とともに、今後の動向に注目していきたいと思います。

2013年2月6日水曜日

「おもてなし」の建前と本音


開花促進剤散布、地元に賛否両論 河津ザクラ」 という記事


早咲きで知られる「河津ザクラ」の里・河津町で、駅前のサクラの木などに2011年秋から開花促進剤が散布され、地元で賛否両論が巻き起こっている。(中略)散布を観光客への「おもてなし」と捉える観光関係者に対し、地元住民の間には「だますことにつながるのでは」と懸念の声もあがっているらしい。

花見は楽しい。でも、予定がたてづらい。開花タイミングがうまく休みと重なるとも限らないし、野外での花見だと天気の心配もある。場所取りも面倒。近所にある桜を通りすがりに眺めたり、満開の桜並木の下を歩くのはいいけど……と腰が重くなる。

一方で、年老いた祖母やおばといった人たちの「来年の桜は見られるのかしら」といった会話を聞くと、花見というイベントのとらえかたが少し変わる。早咲きの桜があるなら見せてあげたいとも思うし、「行ってみたけど咲いてませんでした」では、さぞガッカリするだろうなとも思う。

ただ、だからといって、開花促進剤を使って開花時期をコントロールすることを"観光客へのおもてなし"とくくられると、首をかしげたくなる。

誰のためなのか、本当に望まれていることなのか。そこが精査されないまま、「おもてなし」という言葉だけが一人歩きする。そんなケースは普段の生活のなかでもちょこちょこ目にする。

飲み会の席で、誰かのグラスや皿が空いた途端、大騒ぎでサービスしようとする、"自称・気が利く女子"。たいてい「話が一段落するまで待つ」という機能がついておらず、会話をぶったぎってもお構いなし。話の腰をバンバン折りつつ、「次は何にします?」「すみませーん!」「小皿いただけますか」「空いてる皿、下げますね」と八面六臂の大活躍。

弁当男子・料理男子ブームの影響があるのかないのか、腕自慢したいだけの俺様料理を「おもてなし」と称する"自称・料理好き"も時折見かける。本人は自信満々。本気で思い込んでたりするので厄介なことこの上ない。運悪く遭遇したら「すごーい/すてきー/はじめてー」(いずれも特に意味はない。建前指数77。『オンナの建前⇔本音翻訳辞典』より)でしのぐに限る。

いっそのこと、「この時期、観光客が来てもらえないと、河津町は死活問題なんです!」と率直に伝えたほうが、地元の共感を得やすいのではないか。"いつ咲くかわからない"を逆手にとった観光戦略をたてて、他の桜スポットと差別化する方法もあるのでは。

2月5日(火)の「森本毅郎・スタンバイ」でもこのニュースがとりあげられていた。


同番組のサイトによると、河津町産業振興課は「観光客の方を呼ぶために散布するという考えは一切ありません」とコメント。河津さくら実行委員会の「研究材料が逆に人を呼び込んでるのかということも一理あると思います」というコメントもあり、あくまでも"研究の一環で場所を貸しただけ"という姿勢が強調されていた。おもてなし、関係ないじゃん!

集客目的でないとしながらも、散布対象はメインストリームの桜が選ばれているなど、ツッコミどころは多々ある。でも、「おもてなし」を掲げられるよりは「研究の一環」のほうがまだ好ましい。強引だなあと笑える余地がある。


2013年2月1日金曜日

SNSはデブ生活からの脱却をサポートしてくれるのか


本日のお題は「減量にはTwitterが効果的」という記事。

サウスカロライナ大学でダイエットに関する調査が行われた。被験者をふたつのグループに分け、双方に栄養や運動に関する情報を提供するポッドキャストを配信。一方のグループにはダイエットの進捗状況をノートに書もらい、もう一方にはTwitterでつぶやいてもらった。実験期間中に減らした体重はどちらのグループも同じぐらいだったが、結果を詳細に調べたところ、積極的にツイートやリツイートを行う人の方が、体重を多く減らしていたことがわかったという。

TwitterやFacebookをやっていると、時折見かけるダイエット関連のツイート。私もSNS連動型のダイエットアプリをいくつか使ってみたことがある。

ダイエット&体重記録アプリ「シンプル・ダイエット」は、その名の通り、体重を記録していくだけのシンプルなアプリで、日々の計測結果と感想をTwitterやFacebookに投稿する機能がついている。と必ずしも体重をさらす必要はなく、「昨日の午前6時30分から0.4kg増えました」など、変化度だけをアップすることもできる。

ずるずる太ってしまう人の特徴としてよく挙げられる項目に「毎日体重を測っていない」がある。20代の頃に比べて、20kg以上育ってしまった時期を振り返ると、確かに体重計にのってなかった。というか、のりたくないのだ。残念な結果だということはわかっているのに、わざわざのってもなーと現実から目を背けたくなる。儲かっていないとき、証券会社の口座にまったくログインしなくなってしまうようなものだ。

結局のところ、体重を測るのもアプリに登録するのも自分なので、強制力はさほどないけれど、「シンプル・ダイエット」のようなアプリは体重計にのる生活習慣をつけるには効果的かもしれない。

最近はすっかりサボり気味だけれど、ナイキのランニングアプリ「Nike+ Running」も想像以上に楽しかったアプリのひとつだ。

このアプリでは、ランニングを始めると「××さんがランニングを開始しました。声援を送ってあげてください」というような文言がFacebookに自動投稿される。そして、「いいね!」が押されるたびに、アプリが"声援"を再生する。
走っている最中に、iPhoneから「わああぁぁー!」という歓声が聞こえてきたときはびっくりした。「Nike+ Running」の"歓声"だと気づくまでしばらくかかった。最初のうちは気恥ずかしいけれど、慣れるとこれも案外楽しい。所詮、機械の音だしと思わなくもないが、それはそれとして、スタンディングオベーションの効果音は気分があがる。

このあたりは人によるのかもしれないけれど、体重の変化をさらすよりも走る距離のほうが抵抗感は薄い。体重の場合、決まった時刻に測れずにいることに対しても「ダメだ……」と罪悪感に近い気持ちを抱くけれど、走る時間はそうでもない。ダイエット初心者には、むしろランニングアプリのほうが向いているような気もする。

少し寒さもやわらいできたし、そろそろ、また走ろうかな。

2013年1月29日火曜日

恋とLINEと始まりと終わり


今回のお題は「ニフティとコムニコ、ライフメディア、共同で新成人を対象としたソーシャルメディアの利用実態調査を実施」という記事。

この記事によると、新成人に最もよく利用されているのは Twitter(42.5%)、次いでLINE(16.9%)。
Facebook日本語版の登場以降、SNSとしてのピークが過ぎたかのようにも見えていた
Twitterだが、若者の間ではまだまだ存在感を発揮しているようだ。
男女別に見ると,男性の約3割、女性の約5割が「最もよく利用している」と答えている。

また、興味深かったのがネットの利用時間だ。
「Facebook」「LINE」の場合、インターネットの利用時間は2時間未満がいずれも45%、「Twitter」「mixi」の場合は3時間以上がいずれも45%を超える結果となっていた。

「Facebook」や「LINE」はスマートフォンでチェックしている人が増え、
その結果がネットの利用時間に反映されているのだろうか。

これだけソーシャルメディアが増えてくると、何をどのように
使っていくのか、その使い分けや住み分けがなかなか悩ましいところだ。


私自身の使い方でいうと、現時点ではFacebookの稼働率が高く、
事務所のパソコンの前で作業をするときはブラウザでFacebookのブラウザを
立ち上げていることが多い。
並行してTwitterも使っているが、一時期ほど熱心には使っておらず、
告知などでちょこちょこ発信するぐらい。
mixiはIDはまだ削除していないものの、まったく更新しておらず、
たまにmixiニュースをのぞく程度。
LINEに至っては、芸能人のアカウントをフォローしたり、LINEを
活用している友人たちにあれやこれやと聞いてはいるものの、
いまいち有効活用できずにいる。

Twitterとは異なる閉じられた空間が必要になったときは
Facebookのメッセージ機能やグループ機能を使えば、事足りてしまう。
二人でも複数でもやりとりできるし、写真も送れる。受信先が
複数にまたがるちょっと面倒ということもあり、ついFacebook頼みになってしまうのだ。



LINEは登録ユーザー数が全世界で1億人を突破するほどの人気サービス。
何とかその魅力を味わってみようと、
タレントやテレビ番組などが情報発信しているLINEの公式アカウントを
次々と"友だち"に追加してみたものの、なかなかピンと来ない。

LINEをよく使っているという人を見かけるたびに「どのあたりが面白いの?」「Facebookのメッセージとの違いは?」「どうやって使い分けてるの?」などと、質問攻めにしたが
(その節は、みなさん、すみません!)、
先日ようやく、これかも……という答えに出会った。

それは「スタンプを送るだけでコミュニケーションが成立する」というものだ。
Facebookのメッセージの場合、リアクションをするには何かしらの"言葉"を投げかける必要があり、時にはそれが億劫に感じることもある。でも、LINEであれば、今の気持ちを代弁してくれるようなスタンプを選び、送信するだけでいいと言うのだ。

スタンプが先に送信されてしまうたび、「違う、そうじゃないんだ」
「どうして文章と一緒に送れないのか!」という気持ちになっていたけれど、
そういう使い方があったのかー。

スタンプ選びに慣れてくると、スタンプだけで
ボケとツッコミを演じることもできるようになるそうだ。すごいな!

今回の調査に登場した<「LINE」を使う女性は恋人のいる割合が高く、
将来結婚したいと思っている>とする分析もなるほど、納得。

「ヘルメット5回ぶつければ、ア・イ・シ・テ・ルのサイン」やら何やら
言葉がなくても通じる感や、二人だけの合図のようなものは、
特別な関係を彷彿とさせ、男女の仲を盛り上げるのに一役かってくれるに違いない。
お互いコミュニケーションが成立しているつもりで、
思い切りすれ違ってしまうケースもありそうだけれど、
それはそれとして、起爆剤は多ければ多いほど、点火もしやすくなる。

そのうち、LINEのスタンプで別れ話とかしちゃう人が出てきたりするのかなー。
ソーシャルメディアがもたらす恋愛事情の変化は引き続きウォッチしていきたいと思います。


高学歴幻想を抱いているのは誰なのか


高学歴プア 東大院卒就職率56%、京大院卒はゴミ収集バイトという記事。


すごく懐かしい話題だ。
私が大学院に進学したのは、たしか1996年。
就職活動にコケて、にっちもさっちも行かなくなったときに、
ゼミの教授から大学院の願書を渡され、
大学最後の夏休みを死守すべく、受験した。


理系ならともかく、文系の大学院に進学してしまったら
就職できる可能性は格段に低くなる。
まして、私が専攻していたのは「経済学史」
(出席をとらないという理由で選んだ)という、
文学部寄りのジャンルだったので、民間企業に就職できる
可能性はほぼゼロになる。
そのことは親には伝えず、「教授に誘われたから」を強調し、
進学OKの答えを引き出した。


入学して最初に先輩から教えられたのは、
「就職が決まっても、誰にも教えてはいけない」ということだった。
大学院生の就職は「ポストに空きがあるかどうか」
かつ、教授の"政治力"で決まるので、うっかり就職が決まったことを
話してしまうと、<あの大学にはポストがある>と聞きつけた別の教授が
ゴリ押しで内定取り消し⇒自分の教え子を押し込む可能性もあるという。

「東大ならともかく、うちの大学じゃ就職は厳しい……」という、
愚痴ともアドバイスともつかない話はしょっちゅう耳にしたし、
「研究者として成功したいなら、女なら専業主婦、男なら
看護師や教師など"稼げる妻"をめとり、扶養家族にしてもらうべし」
という持論をぶつ人もいた。

就職内定をとりつけることができず、就職活動から逃げるために
大学院に進学した私が言うのもなんだけれど、
そりゃ、就職難しいよなあと思うような発言や行動をしょっちゅう目にしていた。

この記事は"文科省は修士・博士のキャリアサポートに乗り出し、企業とのマッチングを
行なっているが、状況が改善する兆しは見えない"と指摘する。
その理由として"少子化で学部への新入生が減少する中で
「大学院生を増やして食い扶持を維持したい」という大学側の思惑"をあげているが、
当の大学院生たちはそもそも、民間企業に就職したがっているんだろうか。

私が知っている文系大学院生の多くは、
身分と一定収入が保証された状態で、好きな研究に没頭したいと願っていた。

それは「"好き"を仕事にしたい」にも通じる、虫のいい発想でもあり、
誰もがかなえられるものではないというのは、ごく自然なことなのではないか。

また、「学歴が高ければ、"いい会社"に就職し、"いい給料"をもらえる」
という前提に立つと、気の毒で仕方がないような生活も、
案外、本人にとっては楽しく、好きなことをやってるだけかもしれないとも思うのだ。

私自身は博士課程の途中で、ライターになりたくて上京して以来、
バイト面接を受けていないので、「院卒」(そもそも中退だけど)の肩書きがどれくらい、
アルバイト求人に対して不利なのか、実感値としてはわからない。

でも、この記事に登場する<京都大学大学院で博士号を取得したAさん>が
非常勤講師の傍ら、生計をたてる手段として<毎朝の「ゴミ収集アルバイト」>
を選んだのには、何かしら理由があるように思える。
非常勤講師としての収入が月収6万円。それ以外の生活費を"毎朝"のバイト
のみでまかなえるとすると、かなり割が良さそうだ。
時給や勤務時間には触れられていないので、想像にすぎないけれど。






2013年1月23日水曜日

「恋活」が恋を遠ざける理由


増殖する「○活」、背景に何が 「活」一字に新たな意味 

という記事。

「就活」にはじまり、「婚活」「朝活」「恋活」「妊活」と広がっていった「○活」という言葉をひもとく。
この記事では、「○活」浸透の理由のひとつとして、苦境を乗り切るための「軽いノリ」を挙げている。

20代~30代女性向けの記事を担当すると、取材の現場でも打ち合わせ中にも「恋活」という言葉がバンバン飛び交う。一方、「婚活」の登場回数は減っている。
ブームが一段落したからというよりは「“婚活”だとちょっと重たいので“恋活”ぐらいにしておきましょうか」と言われることが多い。
登場した頃は「結婚相手を探しています」より軽くてポップな言葉として重宝された婚活も、気づけば持ち重りする言葉になってしまった。

でも、その「恋活」も実態は決して軽いものとは言いきれない。
「恋人が欲しいけど、相手が見つからない」という焦りがありつつも、
周囲に悟られたくないという切実な思いが隠されていたり、
「恋愛したい気持ちはそこまで強くないけれど、“枯れている”と
思われるのもアレなので一応恋愛に前向きであることを示しておくか……」
というようなケースもある。

「○活」と称して、ちょっと面倒なことを「イベント」として捉えるのは
生活を楽しむ知恵でもある。単なる飲み会を合コンと称してみたり、
ただの集まりに「××部」と名付けて盛り上がるようなものかもしれない。
ただ、誰かと仲良くなるには“重たさ”を避けて通るのは、あまり得策ではない。

例えば、「誰かいい人がいたら紹介してほしい」という話が複数あって、
実際に“いい人”がいたとき、誰に紹介するかといえば、
やはり、「真剣に紹介してもらいたがっていた人」だ。
腹を割って話をしてくれた人の期待には応えたいという心理も働く。

一緒にいると楽しいとか、気が合うとか、仲良くなる理由は
たくさんあるけれど、仕事でもプライベートでも“とてつもなく
つらい現場を一緒に乗り切った相手”は忘れられない、大切な相手になりやすい。

思うように人間関係を深めずにいられるとき、いちばん最初にやるべきことは
“軽いノリ”をいったん手放してみることなのかも。

2013年1月16日水曜日

話しかけられる人になるための3つの方法


*All About News Dig連動エントリー




“中学や高校と違い、大学では自分で履修する授業を決め、その都度教室も変わる。待っていても誰も声をかけてくれない。でも、自分から話しかけるのは、変に思われそうでできない。気がつけば1人”を避けるにはどうすればいいのか。

この記事では、孤独に悩む大学生の姿がとりあげられているけれど、「友達ができない」「居場所が欲しい」という話は、社会人になってからも時折耳にする。

“大学生の頃はサークルや部活もあったから、なんとなく友達もできたし、出会いもあったけど……”と、理屈はよく似ている。どうやって距離を縮めればいいのかわからない。ガツガツしていると思われたくないというのは、恋愛相談にもよく登場する悩みのひとつだ。





 
どうも話しかけづらい。できることなら話しかけてくれるとありがたい。ならば、相手も話しかけてもらいたがってるに違いない。と、ノ―テンキに変換できるようになると、だいぶラクになる。

実際、そういうケースは多い。知り合いがひとりもいないパーティに参加すると、最初は自分以外はみんな誰かしら親しい人と一緒に来ていて、楽しく談笑しているようにしか見えない。しばらく経つと同じように所在なさげにしている人がちらほら見えてくる。

自分だけがひとりぼっち”という焦りや不安にとらわれると、周囲が見えなくなる。でも、案外似たような状況に陥っている人がすぐ隣にいたりするのだ。それでも、自分から話しかけるのはちょっと苦手という場合は、話しかけやすい雰囲気づくりに精を出す手もある。ポイントは次の3つ。


1. 口角をあげて、眉間をひらく
緊張すると、口角が下がりがちなので意識して口角をあげる。同時に、眉間にしわが寄らないよう気を付けたい。表情が柔らかくなると、相手はぐっと話しかけやすくなる。

2. 下戸でもお酒のグラスを持っておく
“ちょっとは飲める”なら、ソフトドリンクよりお酒のグラスを持っていたほうが話しかける側のハードルは下がる。ワインや冷酒などゆっくり味わって飲むお酒なら、次々とつがれにくいので下戸でも安心。

3. 目が合ったら、ニッコリ会釈
『話す相手が誰もいない気の毒なヤツ』と思われているのでは……」と焦る気持ちをなんとかなだめすかし、周囲を観察。話しやすそうな人を探してみる。キョロキョロしていると、そのうち誰かと目が合うので、すかさずニコッと笑って会釈。何度か繰り返すうちに、誰かが話しかけてくれる。平均すると3.5人に1人(わたし調べ)。

お酒がない場なら、1と3を実践するだけでいい。これらができるようになると、かなりの確率で社交的な人に見える。「ホントは人見知りなんです」と打ち明けても、またまた~と笑い飛ばされるようになったら上出来。孤独感なんてそう簡単には消えてくれないし、「結局、その場限りなわけだし……」と、うじうじ思い悩むかもしれない。でも、一瞬ではあっても「孤独ではない」と感じられる時間を誰かと共有できたなら、それはそれでよかったじゃんとも思えばいいのだ。

自分から話しかけたのであれば、いいことしたねーと、こっそり自画自賛しておくといい。向こうから話しかけてくれたのであれば、ブラボー! と、心からの称賛と感謝を。そうこうしているうちに、ひょんなことからすごく仲良くなったりもするのだ。

2013年1月10日木曜日

アイドルとメンタルケア


JKT48 2013年1月CDデビュー

AKB48の姉妹グループでインドネシア・ジャカルタを拠点とするJKT48が
今年1月にデビューCDをリリースするという記事。

最初にこの記事を目にしたときは、へぇ、ジャカルタってこう訳すのかー
くらいにしか思わなかった。でも、Google検索してみてびっくり。
ジャカルタのアイドル志望な女の子たちだけで
AKB的なユニットを作って売り出すのかと思っていたけれど、そうじゃなかった。

高城亜樹さん、仲川遥香さんの二人が日本から移籍。それはAKB48初の東京ドーム公演で発表されていた。若いうちにどんどん海外に出た方が良いとか、未知の領域にチャレンジすべきだ、などと語られることは多いし、一理あるとも思う。でも、実際にある日突然、海外転勤を打診されたら、嬉しいより先にに困惑しそうな気もするし、場合によっては理不尽さを感じてしまうかもしれない。

でも、JKT移籍組のコメントは前向きそのもの。上海(SHN48)に移籍する宮澤佐江さん、鈴木まりやさんも同様で、揃って、自分の決断であると語っている。

そして、高城亜樹さん、仲川遥香さんは12月26日には揃ってTwitterおよびFacebookを開始。インドネシア語を投稿するなど現地ファンとの交流をはじめ、1月9日のJKT48劇場公演では全曲インドネシア語で歌い、MCもこなしたという。すげぇ。

以前、アイドルとして売り出したばかりの女の子に話を聞く機会があった。
彼女曰く「可愛いだけではアイドルにはなれない」。
365日24時間、アイドルであり続ける必要がある。
「そこで言う『アイドル』ってどんなもの?」と聞くと、
「いつもにこにこ笑顔で、前向きでけなげで……、そういうことをぜーんぶ兼ね備えたパーフェクトな女の子」と言いながら、ニコっと笑った。

自分の意に沿わないことが起きたとき、
どうすればもっともダメージが少なくてすむのか。

①「選んだのは自分である」というスタンス

②ポジティブな面に徹底的に目を向ける。

③“目に見える努力”を周囲に発信する

イヤだけれど断られない状況に悶々とし続ける、あるいは焼け野原覚悟で
「ごめん、無理」宣言してしまう以外の選択肢があることを、
AKB海外移籍組は教えてくれる。


2013年1月7日月曜日

好奇心と達成感の費用対効果


【All About News Dig】連動エントリー


「ベルギービール・アドバイザー」認定講座、2013年より、札幌、福岡でも開催

<1000種類もの銘柄が作られているベルギービールの持つ、さまざまな味わい、歴史、料理との相性などベルギービールを「知る」ことで普段の食生活を豊かなものにすることはもちろん、飲食店などにおいても、より味わいを深めて楽しめるようになることを目指します>という、ベルギービール・アドバイザー認定講座。受講後は初級資格にあたるベルギービール・アドバイザーという資格がもらえるというもの。これまでは東京、大阪、名古屋で開催されていたが、2013年からは札幌、福岡でも開催されるという。





初心者にもわかりやすく専門知識を教えてくれて、受講後に資格がもらえる「認定資格」。Google検索してみると、そのバリエーションの豊富さに驚かされる。

ペット食育2級認定講座

犬や猫の食性、何をおいしいと感じるのか、手作り食のつくりかたやコツ、栄養学などについて学ぶ。

星空案内人(R)資格認定制度

ソムリエのように、星空や宇宙の楽しみ方を教えてくれるのが「星空案内人」であると定義。「星のソムリエ(R)」「星空案内人(R)」はいずれも、山形大学の登録商標らしい。ほほー。


ルームスタイリスト認定講座

日本初の模様替えの資格。模様替えの知識だけでなく、部屋のセンスアップに欠かせない自分の好みを知る方法まで含めて学べる。

豆腐マイスター認定講座

豆腐やおから、油揚げ、がんもなどについて学ぶ。全国のこだわり豆乳&豆腐を取り寄せての試食会、豆腐料理レッスン、手作り豆腐体験なども含まれる。

飾り巻き寿司認定資格

巻き寿司! 初心者向けの「バラ」「桃の花」「四海巻き」「カエル」のうちから3種類を習得できる。

いやはや、いろいろありますなー。気になるジャンルや好きなものと「認定講座」という単語で検索をかければ、何かしらヒットするんじゃないかと思うくらい盛りだくさん。短期間で興味がある分野のことをちょっと深く学べて、受講後には資格ももらえるので、ちょっとした達成感も味わえる。よくできた仕組みだなーとも思う。

ただ、費用対効果は慎重に考えたほうが良さそうだ。認定講座の場合、受講料は2万円台後半から3万円台後半に設定されているものが多かった。ものによっては倍以上する講座もある。なんとなくおトクそうだったり、楽しげな雰囲気があって、無理すれば出せなくもない金額に設定されている商品やサービスは、資格に限らず、結構なくせものなのだ。とくに、今までの自分の仕事や趣味とまったくつながらない資格にやたらと惹かれるときは要注意。単に心が弱っていて、何かにすがりたくなっているだけという可能性が高い。





2013年1月4日金曜日

リスク管理と報奨金



自転車通勤勧める「はてな」 手当2万円、保険費負担…思わぬ効果も
http://www.sankeibiz.jp/business/news/121209/bsj1212090710001-n1.htm

Sankei Bizでとりあげられていたのは、「人力検索はてな」や「はてなブックマーク」などを開発・運営する、はてなの自転車通勤制度。経費削減と社員の健康増進の一石二鳥を狙い、駐輪場を整備。さらに、月2万円の手当と損害賠償保険費を会社が負担し、自転車通勤を推奨しているとか。

自動車部品メーカーのデンソーが「2.5km以上の距離を自転車で通勤すると、“エコポイント”がもらえる」という制度を導入したり、名古屋市では市の職員が自転車通勤をすると距離に応じて毎月手当が支給されるなどの優遇措置が講じられています。



環境にも良くて、メタボ対策にも役立つと、脚光を浴びる自転車通勤ですが、通勤中に事故にあったとき、誰がどう責任をとるのかという問題もはらんでいるようです。

通勤経路にもよるでしょうが、都内の幹線道路を自転車で走るのはかなり、勇気がいりそう。ましてや、「手当がもらえるから」というノリで自転車に乗り始めた人が増えれば増えるほど、事故のリスクは高くなるだろうし、手放しで、エコで健康的でステキとも言い切れません。……と思ったら、はてなは京都本社なんですね。デンソーの本社は愛知県刈谷市、ヤマハ発動機の本社は静岡県磐田市でした。

あと、気になるのが汗&匂い問題。前述のはてなでは本社ビルの隣にあるマンションの一室を確保し、ミストサウナ付き、乾燥機能付きのバスルームを社員に開放しているそう。一方、自転車部品メーカーのシマノでは、従業員用の大浴場が完備されているとか。ただし、当然ながら、こんなに設備が整っている企業はレアケース。自転車通勤中の友達にヒアリングしてみたところ、濡れタオルなどで汗をふきとり、着換えて制汗スプレーあたりがオーソドックスな対処法のようです。

でも、着替えを持ち歩けば荷物も増えるし、周囲への気遣いよりも、面倒くさいが先に立つタイプがいても不思議ではありません。「自転車が好きで好きで仕方がない」とか、「満員電車がつらすぎる」という理由での自転車通勤ならまだしも、いくばくかの補助金目当てとなると……。

いっそのこと、「汗はこまめにふくといいらしいですよ」と、汗ふきシートをそっと差し出すなど、勇気ある行為に対して報奨金を出すというのもセットで組み込んでみるのはどうでしょうか。自転車通勤に限らず、職場で何らかの匂い問題に悩まされている人は多いと聞きます。香水や整髪料のつけすぎ、制汗スプレーの使いすぎなどにも適用。結果、快適な職場が実現できれば、一石二鳥も三鳥にもなりそうです。