2013年2月27日水曜日

男女の違いと諜報活動

アサツーディ・ケイが実施した「消費者にとっての新聞・新聞広告の価値についての調査」によると
新聞広告は実は「男性」より「女性」に効果的」ということがわかったそう。


女性が「新聞広告を楽しみにし、活用もしている」のに対して、
男性は「興味がある広告を選んで見る傾向がある」という。

そういえば、実家では朝食のときにコーヒー片手に
先に新聞に目を通すのは母のほうで、
父はお弁当を作り終えた後でバトンタッチ。
トイレに新聞を持ち込み、ささっと拾い読みしていたような記憶がある。

ただ単に、トイレに持ち込まれた新聞を食事をしながら読むのは抵抗がある。
だから、母のほうが先に読み、その後、父に……という、
暗黙の了解があったのかもしれない。

でも、当時見たテレビドラマでは
「新聞を読みながら食事をするなんて!」と叱られるのは、
もっぱら“お父さん”だったこともあって、うちは男女逆転しているなと
思っていた記憶がある。

もちろん、個人差もあるし、育ってきた環境や習慣に左右される部分も大きい。
でも、男女の違いとして、考えかたや行動のパターンを大づかみしておくと、
不要な人間関係のトラブルを回避したり、円滑な人間関係を構築するのに
大いに役に立つ。

フットサルをやっていたときのこと。
男女が半々ぐらいのチームもたくさんあり、
何度か声をかけてもらい、他のチームの練習に参加したこともある。
女性の比率が多いチームほど「ゴール前では一度は女性にパスを回す」ような
“優しさ”を見かけた。

私が所属していたチームはほとんどが男性。
中心メンバーがバンドサークルつながりだったこともあって、
サッカー経験者どころか、運動部出身者もほとんどいない。
せいぜい、中学のときに卓球やっていましたとか、
少林寺拳法やってましたとか、その程度。

3分走れば、息も絶え絶えになるし、
「スーパービギナーズ(初心者の中でも、さらに初心者チームのための大会)
に出場しても、こてんぱんにやられちゃうようなレベル。
「女子だから」という理由で特別扱いされることはあまりなく、
(そんなことをするほど、体力に余裕がない)
それがかえって居心地良くもあった。

練習後はたいてい近所の店に飲みに行き、
そこでは「男子の本音」がバンバン飛び出すのが面白かった。

例えば、「いっしょうけんめい」の基準。
運動が苦手なのはいい。シュートが決まらないのもOK。
足が遅くてもいい。でも、「全力で走ってない」に対する見方は総じて厳しかった。
適当に体力を温存し、交代することなく試合に出続けるよりも、
全力疾走して2分でギブアップしたほうが、
チームにもメンバーにとってもありがたいという。

「女の子って、体力温存しちゃう子多いじゃん」みたいな話になると、
つい自分が否定されたような気持ちになって、異を唱えたくなるけれど、
反論しないほうが面白いことも、そのとき学んだ。

男性もある程度の年齢になると、女性に対してちょっと批判的なことを
言ったばかりに、「そんなこと言うなんてひどい!!」と噛みつかれた経験が
あり、噛みつかれ「一般論だったのに……」と辟易した経験が一度や二度はある。

それだけに男女の対立構造には敏感。
ちょっとでも女性が不機嫌そうになると、すっと話をはぐらかす。
逆に、多少のことでは怒られなさそうとなると、ベラベラ本音を喋ってくれる。
そのなかに、けっこう重要な情報がある。

時には「どうして自腹を切って、どうでもいい持論を延々聞かされるのか……」と
いう気持ちになるかもしれないけれど、そんなときは単なる飲み会なのではなく、
男女の機微に関する諜報活動であると思えば、気もラクだ。












2013年2月25日月曜日

涙の理由と愛されOL

面白ければ結果はどうなったっていい? AKB握手会の罰ゲームに賛否」という記事。

AKB48の全国握手会でメンバーによるチーム対抗ゲーム“A-1グランプリ”。
粉まみれになったり、鉄棒にぶら下がって落ちたら体重が明かされるといった
罰ゲームの内容がGoogle+にアップされたところ、賛否コメントが殺到したそう。

記事によると、こんなことが起きていたらしい。

同イベントでは体調を崩して途中退場したメンバーや、泣き出したメンバーもいたようだ。
大事には至らずとも負傷したようだ。
体重が明らかとなったことが分かる。


いずれも、AKB48グループ総支配人やメンバーのGoogle+への投稿から
わかったこととして記事内に登場し、
最後は
「メンバーの本音やファンの声にはしっかり耳を傾けて今後のイベントの参考とする必要がありそうだ」という一文で締めくくられている。

「ケガをさせるのはやりすぎ」という批判が出てくるのは、なんとなく想像がつく。
でも、体調不良とイベントの因果関係はわからずじまい。さらに
「泣くこと」と体重バレが並列で語られることに驚いた。

よくよく読むとさほど大変そうでもないことも、
大変そうなことと一緒に書かれていると、大変そうに見えてくる。
よくよく確認せず、けしからーん! と突っ走ってしまうと、思わぬ失笑を
かいかねない。

安易に同情したり、けなげだと持ち上げてしまうのも微妙だ。
うっかり「最近はアイドル稼業も大変だなー」と思ってしまったけれど、
アイドルがラクな商売だったことなんてあるんだろうか、と思い直した。


「アイドル水泳大会」で検索すると、そうそうたる当時のアイドル陣がずらりと出てくるし、
ビートたけしが総合司会を務めていた「スーパーJOCKEY (SUPER JOCKEY) 」
の名物コーナー<熱湯コマーシャル>もしかり。

記憶のなかの彼女たちはキャーキャー嬌声をあげ、楽しそうにしていた。
おかげで気まずい気もちになることもなく、ただただ、
ゲラゲラ笑って、見ることができた。

一方で「面白ければいいのか!」と感情を揺さぶれるAKBも凄いなーと思う。
「泣きだす」という行為は、けっこうな確率で相手をしらけさせるし、
それによって、下げなくてもいい評価を下げている人は少なくない。

中間管理職向けのマネジメントセミナーのようなところに行くと、
「注意した部下が泣き出した。さて、どうする?」
みたいな話題はちょくちょく登場する。

「部下(とくに女性)に泣かれてマジつらかった」という話は
上司あるある話で盛り上がるネタベスト3に入る(わたし調べ)

どうせ泣くなら、エンターテインメントに昇華する。
そのコツをつかんだとき、愛されOL2013の座に輝ける……のかも。





2013年2月21日木曜日

マザコン男と孝行息子を見分ける3つの方法


鳩山由紀夫元首相の母、安子さんが2月11日、都内の病院で亡くなった。90歳だった。生前に長男の由紀夫、次男の邦夫兄弟に42億円ずつ財産を贈与したという一部報道もあり、最後まで話題をさらった。

ブリジストン創業者の故石橋正二郎氏の長女で、初代自民党総裁の鳩山一郎元首相の長男、威一郎元外相の妻。資産家としても知られ、1996年、民主党の前身となる旧民主党の結成資金の半分以上を出しているという。鳩山家の"ゴッドマザー"は、民主党の母でもあったらしい。

鳩山由紀夫元首相夫人、幸さんはインタビューのなかで安子さんについて、こう語っていた。
「嫁と姑の確執、遠慮などというものは全くありません。母は一切私たちの生活の中に入ってきません。『ああしろ』『こうしろ』ということはまったくありません。何をやっても『母に勝るものはない『とわかっていますので、何を言われても『そうですね』『もっともです』という感じで、素直に従えます
(月刊「財界さっぽろ」2010年1月号より)

なかなかここまで言えないし、言わせられない。
実際のところ、母親と息子の関係は、ちょくちょく恋愛のブレーキとして浮上する。

「彼氏がマザコンかもしれない……」と深刻な感じで相談されたけれど、
よくよく話を聞いてみると、「ただの親孝行な人なのでは……」
ということが、しばしばある。

マザコン疑惑の相談を受けるたびに思い出すのが、
お見合いで結婚したエリート男性がじつは極度なマザコンだったというドラマ
『ずっとあなたが好きだった』(TBS)だ。
夫"冬彦さん"を演じた佐野史郎の怪演ぶりはすさまじく、

「味噌汁はひどかったね。味噌を変えて。母に聞くといい」
「僕の言うとおりの妻になっていない」など、数々の名ゼリフに震撼させられた。

このドラマの影響もあるのかないのか、マザコン男をひきあてると
大変なことになるという話は脈々と女子の間に語り継がれている。
厄介なのは同時に「男は大なり小なりマザコンである」説も
まことしやかに語られていることだ。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ということわざではないけれど、
こわいこわいと思っているから、マザコンに見えちゃうなんてこともありそう。

"孝行息子"は母親だけではなく、友達にも恋人にも優しい。
マザコンに過敏になりすぎると、せっかくの逸材を好きこのんで
切り捨てることになりかねない。そんなガッカリなうっかりに回避つつ、
マザコン男を見極める3つのチェックポイントを紹介しよう。

その1 母親に決定権をゆだねたがる

何かにつけて母親に相談する姿は、女性にモヤモヤした感情を引き起こさせる
光景のひとつですが、相談しているだけでマザコンと決めつけるのは早計。
専門知識や生活の知恵をもとに的確なアドバイスをくれるという信頼感の現れなのかも。
ただし、「かあさんの言う通りにしておけば間違いないんだよ!」といった類いの
思考停止発言が出てきたら逃げ出す準備をしたほうがよさそう。

その2 母親とよく一緒にでかけたり、プレゼントをあげたりする

「いい年をして、母親と仲が良すぎる気がする」というのも、よく聞く恋愛相談のひとつ。
でも、母の日や誕生日など、記念日系なら単なる親孝行の可能性大。
"いい年齢"だからこそ、親に優しくなるという見方もできる。
休みの日ぐらい運転手や荷物持ちをするよという親切心なのか、
それとも、何か買ってもらおうという依存心の現れなのかは冷静に観察を。

その3 母親に対してつっけんどんな態度をとる

一見、親離れしているようで、じつは自立できていないパターン。
不機嫌な態度をとれば、親が先回りして面倒をみてくれるという
経験によるものかもしれないし、母親なら許してくれるだろうという、
ある種の甘えが見え隠れする。関係が深まると、今度は
自分も"つっけんどん"の対象にされるというリスクもはらんでいる。






2013年2月15日金曜日

支援される人・されない人はどう違う?



1月29日、ジンバブエのテンダイ・ビティ財務相が「先週、公務員の給与を支払った時点で、 国庫金の残高は217ドルになった。政府の財政は現在、麻痺状態にある」と発表。すわ、ジンバブエ政府が破綻かと世界中で報じられ、大騒動になった。

しかし、その後のインタビューでビティは財政破綻を否定。翌日には3000万ドルの歳入があったと説明。伝えたかったのは「選挙と国民投票を実施する財源がないという点」であり、「例え話として、公務員への支払いを済ませたら217ドルしか残らなかったと語っただけ」だという。

独裁政権下で2億%以上のハイパーインフレ。さぞかし大変なんだろうと思う。でも、ここまで大変になってしまうと、かえって心配されなくなるのではないか。国庫残高217ドル発言のおかげで、かえって深刻さが伝わりづらくなったのではないかと、心配になる。

ライターになりたてだった90年代の終わり頃、
週刊SPA!ではよく、給料特集をやっていて、
ボーナスの時期になると、どこの企業が
去年より上がっただの下がっただのと、盛り上がっていた。
「30歳で1000万円もらえる業種・企業はどこだ?」
なんて特集もあった。
「一部上場なのに、30歳で1000万円超えないなんてショックー」
とかなんとか、そんなコメントがとれた時代だった。

その後、「年収500万円の平均ライフ」を経て、
年収300万円生活、年収200万円、年収100万円……と、
平均像の設定年収がガンガン下がっていくのを目の当たりにした。

いちばん切なかったのは年収200万円特集だった。
年収300万円ぐらいある人たちはなんだかんだいって
みんな楽しそうに暮らしていた。
これが年収200万円になると、さすがに厳しくなってくる。
取材中に「これからどうすればいいですかね」と逆に質問されて、
「うーん……」と一緒に考えこんでしまったこともあった。
ところが、年収100万円生活になると、再びパカーンと明るくなる。
生活ぶりはシャレにならないぐらい大変なケースが多かったし、
状況としてはかなり深刻なんだけれど、本人たちのノリは
どこまでも明るく、突き抜けている。

そういう人じゃなければ、取材なんて受けてくれないと
いうのもあったんだろうけど、それにしてもあっけらかんとしていた。
風俗嬢にいれあげて、一文無しになっちゃいましたエヘヘ、みたいな人とか、年収100万円しかないのにラッセンの絵を買っちゃうとか、
いろいろぶっ飛んでた。
ここまでくると、笑えてくる。ぜんぜん笑い事じゃないんだけど。

国庫残高217ドル発言は、危機を訴えるための例え話だったのかもしれない。でも、そのおかげで、「大変だよね……」と深刻になるラインを飛び越え、この笑っちゃう領域に入ってしまったような気がするのだ。
2億%以上のハイパーインフレの時点ですでに……だったのかもしれないけれど。

名門マジックと酒肴トーク

名門麻布中学の入試にドラえもんが出題されたのはなぜ?」という記事。


麻布中学の入試の理科の問題で下記のような問題が出されたそうだ。

「(略)『ドラえもん』がすぐれた技術で作られていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか。理由を答えなさい。」

で、麻布中学校 2013年入試問題 解答速報によると、模範解答はこうだ。

「ドラエもん自身が成長したり、子孫を残すことができないから」

うわー、えぐい回答だなーというのが第一印象。

なんせ、私は現時点で子どもを産んでないし、
今後、子どもを産むかどうかわからないし、わからないとか言ってる間に、
産めない年齢になる可能性もある。ということはいずれ「子孫を残すことができない」に
該当して、非・生物認定っすか……。がーん。

だいたい、成長してるのかどうかも怪しい。自分では成長したなーと思うことはあるけれど、
それは単なる自己満足に過ぎないんじゃないのか。ホントに成長してるのか、
何をもって成長とするのか。少なくとも、身長は増えていない(体重は増えたり減ったり
している。これ以上増えてもらうのは大変に困るので、むしろ成長してほしくない)。

設問自体は面白い。でも、模範回答は正直言って微妙だ。
なんだろうなー、「思考力がある」というより、
デリカシーのない答えに思えてしまったのだ。

なんとなく釈然としないまま、そもそもの設問を見てみると、さらに拍子抜けする。
問題文の中に、“生物の特徴”が明言されていた。

(略)さまざまな生物を観察し、生物でないものと比べてみたところ、すべての生物に
共通する特徴がいくつか見つかりました。その特徴のなかでも、とくに重要なものが
下の特徴A~Cです。

特徴A:自分と外界とを区別する境目をもつ。
特徴B:自身が成長したり、子をつくったりする。
特徴C:エネルギーをたくわえたり、使ったりするしくみをもっている。

なんだー、答え書いてあるんじゃん。
デリカシーがないどころか、むしろ素直! 

ユニークとされる教育方針の学校である時期を過ごしたことがある人は、
それに対する愛着が強い傾向がある。
私が通っていた高校も、いちおう県内有数の進学校なのに、
受験対策にちっとも興味のない先生ばかりがいて、
夏休みや冬休みの宿題も「百人一首をぜんぶ覚えること」や
「オーヘンリーの短編集を英語で通読する」だったりした。
入学したての新入生ならいざ知らず、高校3年生の夏休みの宿題が、
「徒然草を読むこと」とかウケる! と思っていたし、同級生と会えば、
未だにその話で盛り上がったりもする。
ただ、記憶は美化されるし、何かしらのバイアスもかかる。

ドラえもんが入試問題に出てくるというと、それだけでキャッチーだし、
最初に引用されていた問題だけ見ると、ちょっと考えさせられる設問にも見える。
しかも、それを出題したのはユニークな教育方針で知られる、名門麻布中学で……といった
複数のイメージが重なった結果、実態からズレたところで好感を抱いたり、
ガッカリしたりする。

こうしたことは日常生活のなかでも、ちょいちょい起こる。
感情的に切り捨てるのは簡単だけれど、その感情をひょいとわきによけておいて、
さかのぼって調べてみると、想像と違う“正体”にあえるかもしれない。
なんて思えるのは「成長する」のカテゴリーに入れていいのか。

前提となる“定義”はさておき、ドラえもん問題は恰好の酒の肴になりそうだ。
模範解答からかけ離れた回答、例えば、
「いや、やっぱり国民的キャラクターであるわけだし、この際、
ドラえもんを生物として認めてみよう」とかなんとか言われたら、
おお、と思ってしまいそうだ。

自分ならどんな答えを出すのか、もさることながら、
どんな答えを出す人と仲良くなりたいか考えてみるのも楽しい。








2013年2月11日月曜日

「オタク」をめぐるモテフラグ


20~40代男性の過半数、「自分はオタクだと思う」 という記事。

過半数もオタクを自認してるのかーと思ったけど、よく見ると「完全にオタクだと思う」は8.1%と、1割にも満たない。「ややオタクだと思う」(24.1%)、「どちらかといえばオタクだと思う」(22.1%)という、消極的オタク自認派も含めての“過半数”だった。

よくあるアンケートマジック。100人中33人が「バレンタインデーに本命チョコレートをもらった」と言われても、そんなもんかーと思うけれど、「3人に1人が……」と聞かされると、ちょっとドキっとするようなものだ。

ただ、「ややオタク」「どちらかといえばオタク」を自認しそうな、ふんわりした“準オタク”層はたしかに増えている印象がある。彼らは中途半端な長髪にチェックのネルシャツ、ケミカルウォッシュのジーパンみたいな“いかにも”な恰好はしていない。ジャージを着ていても、それは中学校のジャージではなく、おしゃれジャージ。黒縁・びん底メガネではなく、こじゃれたメガネをかけてたりする。

「自分がオタクであることを周囲に言っていますか?」の結果を見ると、「聞かれたら言う」(51.8%)が半数を超えていた。“聞かれたら言う”ってどんなシチュエーションなんだろうなー。「アニメ好きなの?」と聞かれたら、正直に「好きです」と答える程度も含まれていそう。この数字の信憑性はともかく、以前に比べると、“オタク”を公言する人に会う機会も増えている。

「僕ごときがオタクなんておこがましい」という謙遜派もいれば、「オタクですみません……」と予防線を張るタイプ、ことさらに「俺ってオタクだからさー」と言い募る人まで百花繚乱。でも、いずれにしても、オタクのイメージはネガティブ一辺倒ではない。むしろ、人間関係にプラスに働くんじゃないか。

大好きなジャンルの話す姿を見るのは、それだけでけっこう楽しいものだ。話している内容も固有名詞もちんぷんかんぷんだったとしても、いい大人が夢中になって話している姿は可愛らしい。オタクだと自称しつつ、そのジャンルについて語るべき言葉を持っていない人に出くわすとガッカリするけれど、その人が「○○オタク」を標榜することで、どのような自分ブランディング(笑)を仕掛けようとしていたのか、想像を巡らすのはおもしろい。それこそ、本当に何かしらのオタクである人と一緒に分析・検討すると、これまで気づかずにいた鋭い視点からの指摘を聞けるという楽しみもある。

かつて、「結婚するならオタク男子が狙い目」という話が盛り上がったことがあった。「浮気しなさそう」「好きなことに理解さえ示しておけば、うるさいこと言わなさそう」など、ピュアさ&扱いやすさがメリットとして掲げられていたような記憶がある。

ピュアな分、女の邪念には敏感な人も多いし、どこまで扱いやすいかはともかく、「趣味に理解を示す」だけで喜んでもらえるという側面はある。未だに「アニメ好き」「マンガ好き」「鉄道好き」というだけで、「やだオタク、キモーい」と見切りをつける女性のみなさんが後を絶たないおかげで、思いもよらない好物件が残っているとかいないとか。

というわけで、初心者でもとっつきやすいオタク男子ベスト3をご紹介します。

1)マンガオタク 
「おすすめのマンガは?」と教えを請うだけで、話題が盛り上がる。いきなり何十冊にも渡る長編を勧める人はそうそういないけど、もし、心配なら「おすすめの短編マンガは?」と聞けばOK。

2)生活家電オタク
パソコンからオーディオ、各種家電の買い換えから配線、活用法まで相談に乗ってくれる。実用性が高く、相談して仲良くなるためのネタにも事欠かない

3)アウトドアオタク
気は優しくて力持ちタイプが多く、非常時にも頼りになる。制約のなかで何とかすることに慣れているため、発想が柔軟。早起きが苦にならない人向け。








2013年2月7日木曜日

桃太郎と温泉と伊勢うどん



岡山市が「桃太郎市」に? 香川県の観光PRに倣うという記事


1月29日、岡山市の高谷茂男市長が市の特設サイトに掲載された動画で、岡山市を「桃太郎市」に改名し、キャッチフレーズを「おしい!桃太郎市」にすると発表。前者は香川県の「うどん県」、後者は広島県の「おしい!広島県」をもじったものだったことから、批判や困惑を表明する声が相次ぎますが、じつはこれらは壮大な前フリ。


桃太郎市、実は「伝説の岡山市」 市長が改名宣言種明かし

市長は鬼に取りつかれていたが、市内の保育園で行われた豆まきに参加したおかげで、鬼が退散したという設定で、「伝説の岡山市」のキャッチフレーズで市の魅力をPRするキャンペーンを始めた。


桃太郎市騒動が起こる少し前、大分県が県内のキャッチフレーズを「おんせん県」を定め、商標登録。他県から反発を受けているというニュースが報じられた。

「おんせん県」にライバル温泉地“湯気”立てた

全国から批判が相次ぎ、県の公式サイトに釈明文を載せるなど、対応に追われた大分県。


<営利目的の第三者(他の都道府県は想定していません)が登録した場合などに、「おんせん県」の使用ができなくなったり、使用料が発生したりすることも考えられることから、大分県として保護的な意味合いで商標登録をしておいた方がよいとのアドバイスをいただきました>と説明し、
<各県の使用を妨げるという意図は一切ありません>というスタンスを表明。
なんとも言えない残念な感じが漂う。

「何かあったときのために、一応商標とっておきましょうかね」
「とりあえず、申請をするだけしておいて損はないでしょうな。ガハハハ」
みたいなやりとりが容易に想像できてしまうのだ。

一方、岡山市のPR戦略はまったく逆。もろ手を挙げて賛成されたとは、とても思えない。
もし、ぜんぜん反対の声がなかったとしたら、それはそれでびっくり。今回のPR戦略が
瞬間的な知名度アップにとどまるのか、それとも継続的な何かにつながるのかは
わからないけれど、“ダダすべり上等”で挑んだ姿勢は好感がもてる。

PR動画はかっこいいけど、内容はまあ、普通。でも、そう思ってしまうのは
それだけ前フリとしての一連の騒動がインパクトがあったからなのかも。
どうでもいいなあと思いながら、更新されるたびにのぞいてしまったり、
「またやってるよ……」と苦笑いしつつも、興味を抱いてしまう可能性は大いにある。

コラムニストの石原壮一郎さんが代表を務める「伊勢うどん友の会」もそうだった。
どんな話題にもゆるゆるふわふわ伊勢うどんをからめ続けて約半年。

失笑気味に「ホントに話題なんですか」と言われていた伊勢うどんが
Hanako1月24日号に載り、婦人公論でも話題になり、
東京新聞でも取り上げられていた。すごいな、伊勢うどん。
炎上マーケティングならぬ、失笑マーケティングとでも呼びたい活躍ぶり。

2月20日には都内某所で「伊勢うどんナイト」も開催されるらしい。

伝説の岡山市とともに、今後の動向に注目していきたいと思います。

2013年2月6日水曜日

「おもてなし」の建前と本音


開花促進剤散布、地元に賛否両論 河津ザクラ」 という記事


早咲きで知られる「河津ザクラ」の里・河津町で、駅前のサクラの木などに2011年秋から開花促進剤が散布され、地元で賛否両論が巻き起こっている。(中略)散布を観光客への「おもてなし」と捉える観光関係者に対し、地元住民の間には「だますことにつながるのでは」と懸念の声もあがっているらしい。

花見は楽しい。でも、予定がたてづらい。開花タイミングがうまく休みと重なるとも限らないし、野外での花見だと天気の心配もある。場所取りも面倒。近所にある桜を通りすがりに眺めたり、満開の桜並木の下を歩くのはいいけど……と腰が重くなる。

一方で、年老いた祖母やおばといった人たちの「来年の桜は見られるのかしら」といった会話を聞くと、花見というイベントのとらえかたが少し変わる。早咲きの桜があるなら見せてあげたいとも思うし、「行ってみたけど咲いてませんでした」では、さぞガッカリするだろうなとも思う。

ただ、だからといって、開花促進剤を使って開花時期をコントロールすることを"観光客へのおもてなし"とくくられると、首をかしげたくなる。

誰のためなのか、本当に望まれていることなのか。そこが精査されないまま、「おもてなし」という言葉だけが一人歩きする。そんなケースは普段の生活のなかでもちょこちょこ目にする。

飲み会の席で、誰かのグラスや皿が空いた途端、大騒ぎでサービスしようとする、"自称・気が利く女子"。たいてい「話が一段落するまで待つ」という機能がついておらず、会話をぶったぎってもお構いなし。話の腰をバンバン折りつつ、「次は何にします?」「すみませーん!」「小皿いただけますか」「空いてる皿、下げますね」と八面六臂の大活躍。

弁当男子・料理男子ブームの影響があるのかないのか、腕自慢したいだけの俺様料理を「おもてなし」と称する"自称・料理好き"も時折見かける。本人は自信満々。本気で思い込んでたりするので厄介なことこの上ない。運悪く遭遇したら「すごーい/すてきー/はじめてー」(いずれも特に意味はない。建前指数77。『オンナの建前⇔本音翻訳辞典』より)でしのぐに限る。

いっそのこと、「この時期、観光客が来てもらえないと、河津町は死活問題なんです!」と率直に伝えたほうが、地元の共感を得やすいのではないか。"いつ咲くかわからない"を逆手にとった観光戦略をたてて、他の桜スポットと差別化する方法もあるのでは。

2月5日(火)の「森本毅郎・スタンバイ」でもこのニュースがとりあげられていた。


同番組のサイトによると、河津町産業振興課は「観光客の方を呼ぶために散布するという考えは一切ありません」とコメント。河津さくら実行委員会の「研究材料が逆に人を呼び込んでるのかということも一理あると思います」というコメントもあり、あくまでも"研究の一環で場所を貸しただけ"という姿勢が強調されていた。おもてなし、関係ないじゃん!

集客目的でないとしながらも、散布対象はメインストリームの桜が選ばれているなど、ツッコミどころは多々ある。でも、「おもてなし」を掲げられるよりは「研究の一環」のほうがまだ好ましい。強引だなあと笑える余地がある。


2013年2月1日金曜日

SNSはデブ生活からの脱却をサポートしてくれるのか


本日のお題は「減量にはTwitterが効果的」という記事。

サウスカロライナ大学でダイエットに関する調査が行われた。被験者をふたつのグループに分け、双方に栄養や運動に関する情報を提供するポッドキャストを配信。一方のグループにはダイエットの進捗状況をノートに書もらい、もう一方にはTwitterでつぶやいてもらった。実験期間中に減らした体重はどちらのグループも同じぐらいだったが、結果を詳細に調べたところ、積極的にツイートやリツイートを行う人の方が、体重を多く減らしていたことがわかったという。

TwitterやFacebookをやっていると、時折見かけるダイエット関連のツイート。私もSNS連動型のダイエットアプリをいくつか使ってみたことがある。

ダイエット&体重記録アプリ「シンプル・ダイエット」は、その名の通り、体重を記録していくだけのシンプルなアプリで、日々の計測結果と感想をTwitterやFacebookに投稿する機能がついている。と必ずしも体重をさらす必要はなく、「昨日の午前6時30分から0.4kg増えました」など、変化度だけをアップすることもできる。

ずるずる太ってしまう人の特徴としてよく挙げられる項目に「毎日体重を測っていない」がある。20代の頃に比べて、20kg以上育ってしまった時期を振り返ると、確かに体重計にのってなかった。というか、のりたくないのだ。残念な結果だということはわかっているのに、わざわざのってもなーと現実から目を背けたくなる。儲かっていないとき、証券会社の口座にまったくログインしなくなってしまうようなものだ。

結局のところ、体重を測るのもアプリに登録するのも自分なので、強制力はさほどないけれど、「シンプル・ダイエット」のようなアプリは体重計にのる生活習慣をつけるには効果的かもしれない。

最近はすっかりサボり気味だけれど、ナイキのランニングアプリ「Nike+ Running」も想像以上に楽しかったアプリのひとつだ。

このアプリでは、ランニングを始めると「××さんがランニングを開始しました。声援を送ってあげてください」というような文言がFacebookに自動投稿される。そして、「いいね!」が押されるたびに、アプリが"声援"を再生する。
走っている最中に、iPhoneから「わああぁぁー!」という歓声が聞こえてきたときはびっくりした。「Nike+ Running」の"歓声"だと気づくまでしばらくかかった。最初のうちは気恥ずかしいけれど、慣れるとこれも案外楽しい。所詮、機械の音だしと思わなくもないが、それはそれとして、スタンディングオベーションの効果音は気分があがる。

このあたりは人によるのかもしれないけれど、体重の変化をさらすよりも走る距離のほうが抵抗感は薄い。体重の場合、決まった時刻に測れずにいることに対しても「ダメだ……」と罪悪感に近い気持ちを抱くけれど、走る時間はそうでもない。ダイエット初心者には、むしろランニングアプリのほうが向いているような気もする。

少し寒さもやわらいできたし、そろそろ、また走ろうかな。