2013年3月13日水曜日

スマートフォンと先入観

子どもにとって、進入学シーズンは格好の“ねだりどき”だ。
「来年から中学生になるんだし」「高校合格もしたことだし……」と、
親の財布もゆるみがちになるというのは、今も昔も変わらないらしい。

中高への新入学を控えた子どもがいる親のうち、
「入学時期」をきっかけに携帯電話・スマートフォンへの購入・買い替えを
検討する人は全体の51.8%を占めたそう。
さらに、スマホを選ぶ理由は、
「子どもがスマートフォンをほしがっているから」(40.9%)がもっとも多く、
「自分と一緒(同系統)の機種だから」(26.8%)、
「今後スマートフォン以外の携帯電話は時代遅れになるから」(23.5%)
と続く。

以前、スマートフォンの取材でお会いした何人かの主婦の方々は
いずれもガラケーユーザーで、「スマートフォンに興味はあるけれど、
通信料がかさむのがちょっと……」と、尻込みしていた。

今回の調査でも、「電話料、通信料などがかかりすぎないか心配」(64.2%)が
心配ごとの筆頭にあげられており、「ゲームなどでの課金があるサービスでの
高額請求」(61.9%)など、料金面での不安が「インターネットやメール、
ゲームアプリに夢中になり、勉強しない」(57.5%)、「有害情報サイトへのアクセス」
(55.5%)を上回った。

経済的な負担もさることながら、スマートフォンがもたらす
生活習慣の変化はあなどれない。

“スマートフォンを持っている高校生は、
スマホで1日に平均3時間近くもインターネットを利用し、
目の疲れや睡眠時間の減少など、体の負担を感じている
高校生もいた、という結果が出た”という。

以前、スクールカウンセラーをやっている知人に
携帯メールの返信に追われ、寝不足になり、
やがて不登校になってしまった子どもたちの話を聞いたことがある。
一刻も早く返信をしないと嫌われてしまうかもしれない。
だから、寝る間も惜しんで返信する。宿題なんてやっている場合ではない。

今なら、LINEの応酬になるのだろうか。
「即レスをしなくても、破たんしない友達関係もある」
「まずは一晩、携帯電話の電源を落としてみよう」と
説得に説得を重ねるところからのスタートなのだ、と知人は言っていた。
“即レス”の呪縛を解くのは、そう簡単にはいかないとも。

親がすべての危険を先回りして取り除くことはできない。
でも、一緒に考えることはできるはずだ。

例えば、“インターネットが使いやすいから”
“スマートフォンを持っていないと話題についていけなくなりそうだから”
“勉強に役立ちそうだから”
“持っている人が多くて安心だから”
といった、漠然としたイメージの真偽を調べてみる。

それは、日常生活の中に潜む“だって欲しいんだもん”を
飼いならすのにも役立ちそうだ。





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