2013年3月10日日曜日
泣きたい理由と武士の情け
気分が落ち込んだときは、いっそのこと思い切り泣けるだけ泣いたほうが立ち直りも早くなるという話は、以前からちょこちょこ耳にしていた。
週末になると、“泣ける映画”を大量に借りてきて、一人で見るという友人もいたし、泣くとスッキリという感覚は自分自身でも体験している。
でも、どちらかといえば、個人活動の範囲にとどまるものだった。それがメンタルコントロールのひとつとして注目され、“週末号泣”を実践するためのイベントも実施されているという。
心に効く! 働き女子を救う「涙活」って?
見知らぬ同士が集まり、泣ける映画を見たり、感動話を聞いて涙を流すという涙活イベントの体験レポートもあった。
“家で泣いたら家族を不安にしてしまう。泣きたいのに、泣ける場所がどこにもないんです”(40歳・男性)
“女も30代になると、そうそう泣ける場所があるわけじゃないです”(34歳・女性)
男も女もなかなか大変だ。
「年を取ったら、やたら涙腺がゆるむようになっちゃって」なんて話をよく聞く。自分でも実感する。
映画やドラマの感動エピソードはもちろんのこと、しょうもない余興も「長くつきあってくれる友達がいるってことはありがたいことだ」ともらい泣きできるし、「幸せそうで何より」とまた泣ける。
一方、泣けない場面も増えている気がする。仕事とプライベートの境目が年々曖昧になっているせいだろうか。泣いて叫んで、かんしゃく起こして、ぜーんぶ放り出したら、さぞラクになるだろうに……と思うような出来事に出くわしても、まず泣けない。泣いている場合ではなかったりもする。
そんなとき、どうするか。
ぐしゃぐしゃ悩んでいる自分に対して「で、それ食えんの?」と突き放す質問を投げかけることで、冷静になれることがある。
最近読んだ『もう、名刺交換はするな。』(佐藤綾子著・フォレスト出版)には「武士の情けで許す」という案が紹介されていた。
“神様のように「慈愛によって赦すこと」は、平凡な私などにはなかなか難しい。でも、心の中で「いいや! もうここでわり切って許す。武士の情けだ!!」くらいのタンカを切って、あとは忘れてしまうのならば、私にもできそうです”
今度やってみよう。
「号泣してスッキリ」に限らず、ストレスに直面したときの対処法を複数持っておき、気分やシチュエーションに応じて適宜試してみる。それができると、ストレスもだいぶ軽減できそうだ。
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